答えを言うと、その場では分かる。自分では解けない。
教える側でいちばん抜けやすいのが、待つことです。答えを知っている人ほど、先に言ってしまう。効率としては速いのですが、相手が考える機会が消えます。
分かりやすさは、相手に合わせられているか
まず、説明の話から。
分かりやすさは、内容の易しさではありません。相手の水準に合わせられているかで決まります。
そして、詳しい人ほど、何が分からないかが分からなくなります。自分にとって当たり前になった部分が、説明から抜け落ちる。
対処は簡単です。説明したあとに「どこが分かりにくかったか」を聞く。それだけで、次から精度が上がります。
5秒待つだけで、変わる
次に、待つ力です。
質問されたとき、すぐ答えを言うと、その場では分かるのに、自分では解けないという状態になります。そして、次も聞きに来ます。
やることは、5秒黙るだけです。相手が続けることが、けっこうあります。そして、自分で出した答えは、教えられた答えより残ります。
待てないときは、質問を返すのも手です。「どこまで分かった?」。理解の位置が分かるので、説明も短くて済みます。
「もっと頑張れ」では、何をすればいいか分からない
基準の話です。
何ができれば合格かが見えないと、相手は自分で進められません。そして、いつまでも合格になりません。
難しく考える必要はありません。「これができたら合格」を、1つだけ具体的に言葉にする。段階に分けると、なお効きます。
小さな合格があると、続きます。これは、やる気の話にもつながります。
つまずく場所は、人によって違う
個別に見る力について。
同じ説明で全員が分かることは、まずありません。そして、つまずいている場所は人によって違います。
全員に個別対応する必要はありません。つまずいている1人に、どこで止まったかを聞く。それだけで、教え方が変わることがあります。
7つの型と、次の一手
| 型 | 強み | 次の一手 |
|---|---|---|
| ひととおり整っている | 相手が伸びる | 教える人を育てる |
| 説明が上手い | 短時間で理解させる | 質問されたら5秒黙る |
| 待てる | 自分で解ける経験 | 合格の目安を1つ渡す |
| 動機づける | 続けさせられる | 段階に分けた目安を渡す |
| 基準が明確 | 自分で進められる | つまずいた場所を1人に聞く |
| 更新していない | 安定している | 最近学んだことを思い出す |
| 一律に教える | 効率が良い | つまずいた1人に聞く |
教える側が学んでいないと、伝わる
最後に、更新の話を。
長年同じやり方で教えていると、内容も方法も古くなります。そして、教えられる側には、それが分かります。
確かめ方は簡単です。自分が最近学んだことを、1つ思い出してみる。出てこないなら、そこが起点になります。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。特定の教育方法を推奨するものではありません。