「やる気を出せ」で出た人はいない。順番が逆になっている
「やる気を出せ」で出た人はいません。できるようになった実感があると、勝手に続きます。順番の話です。
- こんな人に
- 相手の意欲が見えず困っている人
- 結論
- やる気は原因ではなく結果。できるようになった部分を、具体的に伝える
- 読む時間
- 約3分
教えても、続かない。意欲が見えない。
ここで「やる気を出せ」と言っても、まず効きません。
それどころか、言われた側は「見られていない」と感じます。止まっている理由が、意欲だと決めつけられているからです。
やる気は、結果として出る
順番が逆になっていることが多い。
やる気があるから、できるようになるのではありません。できるようになった実感があるから、続きます。
だから、手をつけるのは意欲ではなく、できた実感のほうです。
順番を書くと、こうなります。できた実感 → 面白くなる → 続く → さらにできるようになる。入口は、いちばん左です。
できるようになった部分を、言う
いちばん効く一手です。
1か月前と比べて、できるようになった部分を具体的に伝える。
「成長したね」ではありません。「先月は毎回聞いていた部分を、今日は自分で判断していました」。具体的だと、本人にも見えます。
伝えるときの目安は、3つです。
- 比較の相手は、過去の本人。他人と比べると、逆に効きます。
- 行動を指す。「丁寧だね」ではなく「確認の回数が増えましたね」。
- その場で言う。週明けにまとめて言うより、その日のほうが届きます。
本人には、変化が見えない
なぜこれが必要かを書いておきます。
自分の変化は、自分ではいちばん見えません。毎日少しずつだからです。
そして、できないことのほうは、はっきり見えます。だから、放っておくと自己評価が下がります。
とくに、できることが増えるほど、できないことも見えてきます。伸びている時期ほど落ち込みやすい、という逆転が起きます。ここで一言あるかどうかで、続くかどうかが変わります。
課題の難度を、少しだけ上げる
もう1つの方法を。
簡単すぎると飽き、難しすぎると折れます。少し上、が続きます。
目安としては、7割くらいできそうな課題。ここが、いちばん伸びる範囲です。
難度を上げるときは、一度に1つだけ。速度と精度を同時に求めると、たいてい両方崩れます。
意欲を、人格の評価にしない
注意点を1つ。
「やる気がない」は、人格への評価になります。そして、言われた側は動けなくなる。
見るのは行動のほうです。「この作業が止まっているようですが、何か詰まっていますか」。ここには、対処のしようがあります。
そして、詰まりの正体は意欲ではないことが多い。分かっていない、聞けない、優先順位が分からない、体調が悪い。どれも、意欲の話ではありません。
合わないことも、ある
最後に。
その仕事が合っていない、という可能性もあります。意欲の問題として扱い続けると、双方が消耗します。
まとめ
- やる気があるから続くのではなく、できた実感があるから続く
- 本人には自分の変化が見えない。過去の本人と比べて、行動を指して言う
- 伸びている時期ほど、できないことも見えて落ち込みやすい
- 課題は7割できそうな難度。上げるときは一度に1つだけ
- 「やる気がない」は人格への評価になる。行動で聞く
- 詰まりの正体は、分かっていない・聞けない・体調であることが多い
本人と話して、別の道を検討することも、教える側の役割です。自分の型は、良い先生診断で確認できます。