現場に30分。資料に書かれていない「なぜ」を聞きにいく
資料と会議だけで完結すると、提案の説得力が落ちます。関係者1人に30分話を聞くだけで、資料に出てこない事情が見えてきます。
- こんな人に
- 資料と会議で提案を作っている人
- 結論
- 現場の担当者1人に30分聞く。非効率に見える手順には、資料に出てこない理由がある
- 読む時間
- 約2分
数字を見れば、何が起きているかは分かります。
ただ、なぜそうなっているかは分かりません。そして、提案に必要なのは後者のほうです。
そして、なぜを外した提案は、実行の段階で必ず止まります。理由がまだ残っているからです。
非効率には、たいてい理由がある
外から見て「なぜこんなやり方を」と思う業務には、ほぼ必ず理由があります。
- 過去に事故があった。その対策として、いまの手順ができている。
- 部署間の力関係。誰かが譲れない条件を持っている。
- 担当者の負担。変えると、特定の人の仕事が増える。
- 前に試して失敗した。そして、その記憶が残っている。
これらは、資料には書かれていません。聞かないと出てきません。
とくに1つ目は、外からはただの無駄に見えます。二重確認、余分な承認、手書きの控え。事故のあとに足された手順は、たいていこの形をしています。
30分で足りる
大がかりなことをする必要はありません。
関係者1人に、30分だけ話を聞く。実際に作業している人がいい。管理職より、現場のほうが情報が濃い。
聞くことも決まっています。「いま何がいちばん大変ですか」「なぜこのやり方になったんですか」。この2つで十分です。
聞くときのコツは、改善案を持っていかないことです。案があると、相手は反論する側に回ります。聞きに来た人には、話してくれます。
一次情報は、説得力になる
現場に入る効果は、内容だけではありません。
提案に「現場ではこう言われていました」が入ると、通り方が変わります。数字より、具体的な言葉のほうが動くことがあります。
そして、話を聞いた相手は、その提案の味方になります。実行の段階で、これが効きます。
そして、聞いたことは相手に返す。「あのとき伺った話を、こう入れました」。これがあると、次も話してもらえます。
聞いたことを、そのまま持ち帰らない
注意点も1つ。
現場の話は、生々しいぶんそのまま持ち帰ると、単なる不満の伝言になります。
構造にしてから渡す。「3人に聞いて、共通していたのはこの2点でした」。この形にすると、判断できる情報になります。
あわせて、誰の発言かは出さない。名前が出ると、次から誰も本当のことを言いません。
資料を作る前に、聞く
最後に、順番の話を。
資料を作ってから確認しにいくと、すでに方向が決まっているので、聞き方も誘導的になります。
まとめ
- 数字は何が起きているかを示すが、なぜかは示さない
- なぜを外した提案は、理由が残っているので実行段階で止まる
- 関係者1人に30分。管理職より、実際に作業している人に聞く
- 聞くときは改善案を持っていかない。案があると反論の場になる
- 持ち帰った話は構造にしてから渡す。ただし発言者の名前は出さない
- 資料を作ってから聞くと、聞き方が誘導的になる。作る前に聞く
作る前に聞く。それだけで、資料の質が変わります。自分の力の組み合わせは、コンサル適性診断で確認できます。