資料の出来ではなく、動かせるかどうかで測られる
構造化と仮説は、この仕事の入口です。ただ、そこで止まると「良い提案書はできたが、何も変わらなかった」という結果になります。差がつくのは、そのあとの部分です。
入口は、構造化と仮説
複雑な状況を整理し、答えの見当をつけてから確かめにいく。この2つがないと、そもそも始まりません。
とくに仮説は、時間の使い方を変えます。網羅的に調べようとすると、たいてい時間が足りなくなる。「たぶんこうだろう」を先に1行書くだけで、調べる範囲が絞れます。
ただ、ここまでは訓練で伸びる部分です。差がつくのは、次からです。
資料に出てこない情報が、提案の質を決める
データを見れば、何が起きているかは分かります。ただ、なぜそうなっているかは分かりません。
そこには、たいてい事情があります。過去の経緯、担当者の負担、部署間の力関係。これは、聞きにいかないと出てきません。
関係者1人に30分話を聞くだけで、提案の説得力が変わります。資料と会議だけで完結させない。
実行されない提案は、成果にならない
この仕事の価値は、ここで決まります。
提案書が正しくても、動かなければ何も変わりません。そして、動かない理由は中身ではなく、たいてい別のところにあります。
- 最初の一歩が決まっていない。「誰が、いつまでに、何を」がないと、始まりません。
- 反対する人が残っている。正しさで押すと、実行の段階で止まります。
- 現場の負担が増える。そこを見ていないと、続きません。
反対には、理由がある
利害の調整は、政治のように見えて、実際には情報収集です。
反対する人には、反対する理由があります。手間が増える、評価が下がる、過去に失敗した。聞かないと分かりません。
効くのは、順番です。案を出す前に、いちばん反対しそうな人に個別に話す。それだけで、公の場での反対がかなり減ります。
7つの型と、次の一手
| 型 | 強み | 次の一手 |
|---|---|---|
| 分析 | 整理と仮説 | 関係者1人に30分聞く |
| 現場 | 一次情報と巻き込み | 3つの箱に分けてから話す |
| 実行 | 動くところまで届く | 着手前に論点を1つ確認 |
| 調整 | 通し方を知っている | 分析は人に任せる |
| 資料で終わる | 構造化 | 資料を作る前に話を聞く |
| 量に潰れる | 力はある | 崩れる順番を記録する |
| ひととおり回せる | 全部そろっている | 抱える上限を自分で決める |
量は、放っておくと増える
最後に、続けるための話を。
この仕事は、能力がある人ほど量が増える構造になっています。そして、耐えられる人ほど、さらに増える。
崩れるのは、たいてい適性の問題ではありません。上限を自分で決めない限り、際限なく増えます。繁忙期に何から崩れるかを記録しておくと、守るべき場所が分かります。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。特定の職種や企業への就職を勧める意図はありません。