丁寧に説明したのに伝わらない。詳しさが足りないのではない
知っている人ほど、前提を飛ばします。相手が何を知らないかを1つ確認するだけで、説明の届き方が変わります。
- こんな人に
- 人に教える立場の人
- 結論
- 伝わらないのは詳しさ不足ではない。説明の前に、相手の既知を1つ聞く
- 読む時間
- 約2分
丁寧に説明したのに、伝わっていない。
このとき起きているのは、詳しさが足りないことではありません。
むしろ、詳しくしたことが原因のこともあります。情報が増えると、どれが重要かが分からなくなるからです。
知っている人ほど、前提を飛ばす
理由は、はっきりしています。
身についた知識は、意識に上がりません。だから、説明のときに省略されます。本人には、省略した自覚がない。
そして、聞く側は、どこが分からないかを言えません。前提が抜けていると、質問すら作れない。
よく飛ばされるのは、こういう部分です。
- なぜそれをやるのか。手順は説明されるのに、目的が抜ける。
- 言葉の意味。社内でしか通じない略語が、そのまま出てくる。
- 全体のどこにあたるか。いま何の一部をやっているのかが分からない。
- 失敗したらどうなるか。ここが分からないと、慎重さの度合いが決まりません。
先に、知っていることを聞く
対処は、順番を変えることです。
説明の前に、相手が何を知っているかを1つ確認する。
「これは、やったことありますか」。この一言で、どこから話すかが決まります。
このとき、「知らない」と言いやすい聞き方にするのがコツです。「ご存じですよね」と聞くと、知らないとは言えません。
一度に、1つ
もう1つの原則を。
1回の説明で伝わるのは、1つだけです。3つ言うと、たいてい全部が薄まります。
いちばん重要なことを1つ選んで、それだけ言う。残りは、次の機会にする。
どうしても3つ渡す必要があるときは、書いて渡す。口で言うのは1つ、残りは紙に残す。この分け方なら、両方成立します。
専門用語は、1回だけ言い換える
実務的な話です。
用語を避ける必要はありません。ただ、初回だけ言い換えを添える。
避けてしまうと、相手が用語を覚える機会を失います。使いながら、意味を渡すのがいちばん早い。
分かったかを、聞かない
確認の方法を変える話を。
「分かりましたか」と聞くと、ほぼ「はい」が返ってきます。分からないと言うのは、勇気が要るからです。
代わりに、「いまの話、どう理解しましたか」と聞く。あるいは、やってもらう。ここで、実際のずれが見えます。
やってもらうのが、いちばん確実です。説明を聞いて分かることと、できることは別だからです。そして、詰まった場所がそのまま次の説明の起点になります。
例を、1つ用意しておく
最後に。
抽象的な説明は、例が1つあると急に分かります。そして、例は使い回せます。
よく説明する内容については、うまくいった例を覚えておく。準備がそのまま資産になります。
まとめ
- 伝わらないのは詳しさ不足ではなく、前提が飛んでいるため
- 目的・言葉の意味・全体のどこか・失敗したらどうなるかが飛びやすい
- 説明の前に、相手が何を知っているかを1つ確認する
- 1回で渡すのは1つ。残りは書いて渡す
- 「分かりましたか」ではなく「どう理解しましたか」、できればやってもらう
- よく説明する内容は、うまくいった例を1つ覚えておく
自分の型は、良い先生診断で確認できます。