運動が続かないのは、意志ではなく条件の問題
ジムに入会して3か月で行かなくなった。走り始めて2週間でやめた。よくある話ですが、原因はたいてい怠けではありません。選んだ種目と、自分の条件が噛み合っていなかっただけです。
続かない理由は、だいたい4つに絞れる
- 準備が多すぎた。着替え、道具、移動。始めるまでに10分以上かかるものは、忙しい週に消えます。
- 強度が合っていなかった。きつすぎて苦痛だったか、逆に物足りなくて飽きたか。どちらもあります。
- ひとりだった/人といた。約束がないと動けない人と、人に合わせるのが負担な人がいます。逆を選ぶと続きません。
- 勝ち負けの有無。試合がないと張り合いが出ない人と、競った瞬間に嫌になる人がいます。
どれも、始める前に分かることです。そして、体力とはまったく関係がありません。
いちばん効くのは「はじめやすさ」
6つの条件の中で、続くかどうかにいちばん効くのがこれです。
理由は単純で、忙しい週に生き残るのは、準備の要らないものだけだからです。時間があるときは何でも続きます。差がつくのは、疲れている週です。
目安を1つ挙げるなら、思い立ってから始まるまで10分。これを超える種目は、週に何回できるかを現実的に見積もってください。「行けば楽しい」は、行けなかった日には効きません。
強度は、高いほうがいいわけではない
効果を求めて、いきなり高強度から始める人は多いのですが、これは強度への欲求が低い人にとっては逆効果です。
追い込んだあとの感覚が報酬になる人と、ならない人がいます。ならない人にとって、きつい運動はただの苦痛なので、意志の力だけで通うことになります。それは長く続きません。
強度が低くても効果はあります。むしろ、10年続く軽い運動のほうが、3か月でやめる高強度より結果が出ます。順番として、まず習慣、あとから強度です。
ひとりでやるか、誰かとやるか
ここは、正解が人によって完全に逆になります。
- 約束が推進力になる人。ひとりの運動は続きません。かわりに、週1回の集まりに入れば何年でも続きます。探すべきは種目より、参加できる場所です。
- ひとりでやりたい人。チーム競技は、日程調整の負担が先に来ます。時間の融通が利く種目のほうが、結果的に回数が増えます。
どちらでもいい人が、いちばん選択肢が広い位置にいます。その場合は、はじめやすさで選んでください。
8つの型と、続けるための条件
| 型 | 向いている運動 | 続けるための条件 |
|---|---|---|
| 走る・こぐ | ランニング、速歩、自転車 | 最初の1か月は歩きを混ぜる。靴だけは専用に |
| チーム競技 | フットサル、バスケ、バレー | 初心者を受け入れている集まりを先に探す |
| 対人ラケット | テニス、卓球、バドミントン | 相手を1人確保する。最初に数回レッスン |
| 整える | ヨガ、ピラティス、水泳 | 効果は体重でなく睡眠と肩・腰で見る |
| 技を磨く個人 | ボルダリング、武道、ゴルフ | 上達が段階で見える種目を選ぶ |
| 自然の中で長く | 登山、ハイキング、スキー | 運動ではなく外出として予定に入れる |
| 数字で伸ばす | 筋トレ、室内バイク | 記録を取る。週2回から始める |
| 続けることが目的 | ウォーキング、体操、階段 | 時間ではなく行き先を決める |
最初の1か月を、越えるために
どの型でも共通して効くことが3つあります。
- 強度より頻度を先に作る。最初の1か月は、軽くていいので回数を優先します。体より先に、習慣のほうを作ります。
- 雨の日と、疲れた日の代わりを決めておく。ここが決まっていないと、1回休んだところで途切れます。5分の体操でも構いません。
- 記録を1つだけ残す。歩数でも、回数でも、日付だけでも。途切れたことに気づけるのが、記録の本当の役目です。
けがだけは、避ける
運動をやめる理由で、意志の次に多いのがけがです。そして、けがの多くは最初の3週間に起きます。体が慣れる前に、気持ちだけが先に行くからです。
目安として、最初の1か月は「もう少しやれる」で終える。物足りないくらいがちょうどいい。伸ばすのは、体ができてからで間に合います。
痛みが出たら、その日は中止してください。休むことは後退ではなく、続けるための工程です。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。また、医学的な助言ではありません。持病がある方、長く運動していない方は、始める前に医師にご相談ください。