営業でいちばん効くのは、話す力ではない
営業というと、話がうまい人が浮かびます。ただ、実際に数字を作っているのは別の力です。聞く力、打席の量、断られても続く耐性。そして、売らない判断です。
説明が中心になると、当たらない
良い商品でも、相手の困りごとと接続していなければ売れません。
だから、先に聞く。何に困っているか、いま何を優先しているか、なぜ変えられずにいるか。ここが分かれば、提案は自然に決まります。
試しやすい方法があります。訪問の前半15分は、質問だけにしてみる。それだけで、当たる確率が変わります。
確率の仕事なので、母数が効く
次に、量の話です。
どれだけ質が高くても、会う数が少なければ数字は読めません。そして、量は自分でコントロールできる数少ない部分です。
結果ではなく行動で管理すると、安定します。週に何件の新規接点を作るかを、数字で決める。受注は運も絡みますが、件数は決められます。
断られへの耐性が、量を守る
この2つは、つながっています。
断られて引きずると、次の行動が減ります。そして、量が減ると1件の重みが増えて、さらに引きずりやすくなる。これが、営業でいちばん多いつまずき方です。
効くのは、断りを人格への評価だと受け取らないことです。実際には、タイミング、予算、優先順位。こちらとは関係ない理由がほとんどです。
断られた理由を、事実として1行だけ記録する。感情は書かない。これを続けると、断りが情報に変わります。
いちばん取りこぼすのは、決まらなかった相手
意外に大きいのが、ここです。
いま決まらないのは、いま必要ないというだけのことが多い。予算の時期、担当の交代、状況の変化。半年後には、前提が変わっています。
決まらなかった相手に、3か月後に一度連絡する。それだけで、数字が変わります。新規を1件増やすより、はるかに安い。
7つの型と、次の一手
| 型 | 強み | 次の一手 |
|---|---|---|
| 課題解決 | 紹介が生まれる | 週の新規接点を数字で決める |
| 量で取る | 母数が大きい | 前半15分を質問だけにする |
| 関係で取る | 積み上がる | 新規の接点も数字で確保する |
| 商材で取る | 詳しさで信用される | 接点づくりを仕組みで補う |
| 断られに弱い | 丁寧に向き合う | 断りの理由を事実で1行記録 |
| 押し込む | 数字は出る | 合わないときは、その場で言う |
| 追わない | 切り替えが早い | 3か月後に一度連絡する |
売らない判断が、長期の数字を作る
最後に、いちばん語られない部分を。
合わないものを売ると、短期の数字は出ます。ただ、コストは遅れて現れます。解約、クレーム、悪い評判。そして、紹介が生まれません。
しかも、これらは営業の数字としては見えにくい。受注数だけを見ていると、何が起きているか分かりません。
合わないと思ったら、その場で言う。そのとき失った1件より、そのあとに戻ってくる関係のほうが大きいことが、実際にあります。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。特定の職種への就職を勧める意図はありません。