良い上司かどうかは、能力ではなく6つの行動で決まる
部下から見た良い上司の条件を並べると、意外なほど能力の話が出てきません。出てくるのは、伝えてくれるか、任せてくれるか、守ってくれるか。どれも、才能ではなく行動です。
いちばん効くのは「悪い報告が上がるか」
6つの中で、これだけは性質が違います。他の5つの結果として現れる指標だからです。
部下が悪い知らせを早く出してくるなら、それは信頼されている証拠です。逆に、問題を知るのがいつも遅いなら、どこかで情報が止まっています。
ここで大事なのは、部下が黙るのは性格ではないということ。過去に報告したときの反応が、そのまま次の判断になっています。責められた記憶が1回あれば、次からは「もう少し様子を見てから」に変わります。
変えられるのは、反応のほうだけです。悪い報告が来たとき、対処より先に「早く言ってくれて助かった」と言う。これを3回やると、情報の流れが変わります。
「言わなくても分かるはず」が、やり直しを生む
期待を伝える力は、地味ですが効き目が大きい軸です。いつまでに、どこまで、何を優先するか。この3つを言葉にするだけで、やり直しの多くは消えます。
察してもらう前提が通じるのは、経験と情報を共有している相手だけです。上司には見えていて、部下には見えていない情報が、たいてい3つ以上あります。
任せることと、放置することは違う
任せる力が高いのは強みですが、それだけでは足りません。進め方を預けたうえで、基準は渡す。この2つはセットです。
- 任せる。やり方を相手に決めさせ、口を出さない。結果で見る。
- 放置。やり方も基準も渡さず、あとから違うと言う。
本人は信頼のつもりでも、受け取る側には後者として届いていることがあります。渡すべきは自由だけでなく、判断の基準です。
守られた記憶は、指導より長く残る
盾になる力は、効果が見えにくいわりに、いちばん覚えられています。
逆に、問題が起きたときに担当者の名前を先に出すと、そこで終わります。一度でもそれをやると、次から情報は上がってきません。守るとは、責任を引き受けることであって、失敗をなかったことにすることではありません。
7つの型と、次に足すもの
| 型 | 強み | 次に足すもの |
|---|---|---|
| 方向を示す | 迷わせない | 反論の余地を1つ残す |
| 育てる | その場で伝える | 外からの圧を自分が受ける |
| 盾になる | 守られている実感 | 判断の基準まで渡す |
| 公平さで信頼される | 説明できる評価 | 配分は変えてよいと知る |
| 話が上がってくる | 問題が小さいうちに分かる | 聞いたら、決める |
| 抱え込む | 品質への責任感 | 1件だけ、口を出さずに任せる |
| 任せきり | 自由を渡せる | 基準を1つだけ添える |
全部を高くしようとしなくていい
6つすべてが高い上司は、ほとんどいません。そして、その必要もありません。
低い軸のうち、いちばん困っている人がいる場所を1つだけ選んで足す。それで十分です。全部を直そうとすると、たいてい何も変わりません。
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