決めるのが速い組織は、たいてい誰かが1人で決めている
権限を集中させると、速く決まります。ただし、決める人の判断力を超えた瞬間に止まります。効き目と限界を分けて見る話です。
- こんな人に
- 決定が1人に集まっている組織にいる人
- 結論
- 集中は速いが、決める人の容量が上限になる。効き目と代償は同じ場所から出る
- 読む時間
- 約2分
合議で決める組織は、遅い。これは、だいたい本当です。
だから、権限を1人に集めると速くなる。これも本当です。問題は、そのあとに起きます。
そして、効き目と代償は同じ場所から出ています。片方だけを取ることはできません。
集中には、はっきりした効き目がある
- 速い。調整が要らないので、その日のうちに決まります。
- 一貫している。判断の基準がぶれません。
- 責任がはっきりする。誰が決めたか分かります。
- 不人気な判断ができる。合議では通らない決定が、通ります。
危機のときや、立ち上げの時期には、この形が明確に有利です。
とくに、情報が不完全なまま決めなければならない場面では、集中が強い。合議は、材料がそろわないと動けません。
限界は、決める人の容量
そして、代償のほうです。
組織の判断力が、1人の判断力を超えられません。案件が増えると、決裁待ちの列ができます。
さらに、その人が体調を崩すと、全部が止まります。これは、能力とは無関係に起きます。
目安として、決裁待ちが常に3件以上あるなら、容量を超えています。ここから先は、速さの利点が消えます。
情報が、上がってこなくなる
もっと静かに進む問題があります。
決める人が不機嫌になる情報は、届かなくなります。悪い数字、失敗、反対意見。誰も好んで持っていきません。
そして、本人には見えません。届いている情報だけを見ているので、うまくいっているように見えます。
そして、この段階では周りも困っていません。言わなくて済むほうが楽だからです。問題が表に出るのは、もっとあとになります。
集中させたまま、質を保つ方法
分散だけが答えではありません。集中のまま、精度を上げる方法があります。
- 反対意見を、役割として置く。誰か1人に、反対する係を頼む。
- 悪い報告を歓迎する。持ってきた人に、まず礼を言う。ここだけで、情報の量が変わります。
- 小さい決定を、返す。金額や範囲で線を引いて、下に渡す。
返すときは、結果を確認しないのが要点です。確認する前提だと、結局こちらの判断が入ります。
不在の日を、作ってみる
確認の方法を1つ。
1週間、決裁を止めてみる。何が止まるかが分かります。
止まったものが、本来は渡せたはずの判断です。ここを渡すだけで、容量に余裕ができます。
形より、状態を見る
最後に。
集中も分散も、それ自体では良し悪しが決まりません。速さが要る局面では集中が効き、規模が大きくなると分散が要る。
見るべきは、いま情報が上がってきているか、決裁で詰まっていないか。この2つです。
まとめ
- 集中の効き目と代償は、同じ場所から出ている
- 材料が不完全なまま決める場面では、集中が明確に強い
- 組織の判断力は、決める人の判断力を超えられない
- 決裁待ちが常に3件以上あるなら、容量を超えている
- 不機嫌になる情報は届かなくなる。しかも本人には見えない
- 小さい決定は返す。返したら、結果を確認しない
いまの形は、独裁者診断で確認できます。