反対意見が出ない会議は、合意ができているとは限らない
全員が賛成する会議は、合意ができているのではなく、言えなくなっているだけのことがあります。見分け方の話です。
- こんな人に
- 会議で反対意見が出ない組織の人
- 結論
- 納得とあきらめは同じ沈黙に見える。決める人が最初に意見を言わない
- 読む時間
- 約2分
会議で、誰も反対しない。話がすぐまとまる。
これは、2つのまったく違う状態が、同じ見え方をします。
そして、決める側からは、どちらも「順調」に見えます。
納得と、あきらめは見分けにくい
本当に合意しているのか、言っても無駄だと思われているのか。会議室では、どちらも同じ沈黙に見えます。
見分ける手がかりがあります。
- 会議のあとに、廊下で別の話が出る。これは、言えていない証拠です。
- 質問すら出ない。本当に納得しているなら、確認の質問は出ます。
- 決定が実行されない。賛成していたはずのことが、動かない。
とくに3つ目は、はっきりした信号です。会議で賛成した人が動かないのは、納得していなかったということです。
言えなくなる理由は、たいてい過去にある
そして、原因の多くは1回の出来事です。
反対した人が、その場で否定された。あるいは、あとで不利な扱いを受けた。これを1度見ると、全員が学習します。
本人には、悪気がないことが多い。「それは違う」と即答しただけ。ただ、周りはそれを見ています。
そして、見ていた人のほうが強く学習します。当事者は経緯を知っていますが、見ていた人は結果だけを見ています。
最初に意見を言わない
対処で、いちばん効くのはこれです。
決める人が、最初に自分の考えを言わない。
先に言うと、そのあとの議論は賛成か反対かの話になります。そして、反対するには勇気が要る。
順番を変えるだけで、出てくる意見の量が変わります。
どうしても先に言う必要があるときは、「これは案です」と明示する。決定ではないと分かれば、反対の余地が残ります。
反対する役を、置く
もう1つの方法を。
会議ごとに、1人に「反対する係」を割り当てる。役割なら、言いやすくなります。
ここで重要なのは、その人が困らないようにすることです。役割として頼んだのに、内容で不機嫌になると、次から誰も引き受けません。
そして、役は持ち回りにする。固定すると、その人が「いつも反対する人」として扱われます。
反応を、変える
いちばん地味で、いちばん効く一手を。
反対されたときに、まず「ありがとう」と言う。
同意する必要はありません。言ったこと自体を歓迎する。これを何回か続けると、場が変わります。
沈黙の代償は、遅れて来る
最後に。
反対が出ない組織は、短期的には快適です。会議も早く終わる。
ただ、間違った決定を止める仕組みがありません。そして、それが分かるのは、たいてい手遅れになってからです。
まとめ
- 納得とあきらめは、会議室では同じ沈黙に見える
- 賛成したはずのことが動かないなら、納得していなかったということ
- 原因はたいてい1回の出来事。見ていた人のほうが強く学習する
- 決める人が最初に意見を言わない。言うなら「これは案です」と明示する
- 反対する係を置く。ただし持ち回りにする
- 反対されたら、まず「ありがとう」と言う
いまの状態は、独裁者診断で確認できます。