報告が良い話ばかりになったら、状況ではなく経路を疑う
報告が良い話ばかりになったら、状況が良いのではなく、報告が選別されている可能性があります。確認と対処の話です。
- こんな人に
- 報告が良い話ばかりになってきた立場の人
- 結論
- 悪い報告を持ってきた人に、まず礼を言う。それだけで情報の速度が変わる
- 読む時間
- 約2分
報告される内容が、良い話ばかりになってきた。
このとき、状況が良いのか、報告が選ばれているのかを確かめる必要があります。
この2つは、手元の資料からは区別がつきません。どちらの場合も、上がってくる数字は良く見えるからです。
選別は、悪意なく起きる
まず、前提を1つ。
報告する側は、隠そうとしているわけではありません。ただ、不機嫌になると分かっている情報を、わざわざ最初に持っていく人はいません。
そして、「もう少し様子を見てから」と先送りされます。悪い情報は、遅れて、小さくなって届きます。
しかも、報告は階層を通るたびに丸められます。3つ下の現場で起きたことが、途中で2回言い換えられて届く。悪意がなくても、そうなります。
確認できる、簡単なサイン
- 失敗の報告が、月に一度もない。実際には、必ず起きています。
- 数字が、いつも目標付近。調整されている可能性があります。
- 問題が、大きくなってから届く。小さいうちに上がってきていない。
- 現場で聞くと、知らない話が出る。ここがいちばん明確です。
このうち4つ目が出たら、ほぼ確定です。現場が知っていて自分が知らない話があるということは、経路のどこかで止まっています。
反応を変えるのが、いちばん速い
仕組みより先に、これです。
悪い報告を持ってきた人に、まず礼を言う。
「早く言ってくれて助かった」。この一言だけで、次の情報の速度が変わります。
逆に、「なぜもっと早く言わなかった」と返すと、次はさらに遅くなります。
順番としては、まず礼、次に事実の確認、対策はそのあと。最初に「なぜ」を聞くと、相手は説明ではなく言い訳を組み立てます。
報告を待たずに、見にいく
もう1つの方法を。
報告のラインを通さずに、現場を見にいく。月に一度でも構いません。
ここで注意点が1つあります。抜き打ちの監査にしない。粗探しに見えると、現場はさらに隠します。聞くのは「いま何が大変ですか」だけでいい。
ほかにも、経路を増やす方法があります。
- 報告に「うまくいかなかったこと」の欄を作る。書く場所があると、書けます。
- 一人ずつ短く話す時間を作る。会議では言えないことが出ます。
- 数字ではなく、事実を1つ求める。「今月いちばん困った出来事は」。
判断の精度は、情報の質で決まる
最後に。
決める力があっても、入ってくる情報が偏っていれば、判断は外れます。そして、本人には外れた理由が分かりません。
まとめ
- 報告が良い話ばかりなのは、状況が良いのか選別されているのか区別がつかない
- 選別は悪意なく起きる。報告は階層を通るたびに丸められる
- 現場で知らない話が出たら、経路のどこかで止まっている
- 悪い報告には、まず礼。「なぜ」を先に聞くと言い訳が返ってくる
- 報告の経路を1つ増やす。書く欄を作る、一人ずつ話す時間を作る
情報が届く状態を保つことは、決める人の仕事の一部です。いまの状態は、独裁者診断で確認できます。