自分が抜けたら止まる、は能力の証明ではない。1週間試す
有能な人が長く決めていると、周りが決める練習をしません。1週間だけ判断を渡してみると、何が起きるかが分かります。
- こんな人に
- 自分がいないと回らない立場の人
- 結論
- それは能力の証明ではなく設計の問題。1週間だけ判断を渡して離れてみる
- 読む時間
- 約2分
自分が抜けたら、どうなるか。
この問いに「たぶん止まる」と答えられるなら、それは能力の高さの証明ではありません。設計の問題です。
そして、設計の問題なら、直せます。
決める人が育たない理由
有能な人が決め続けると、静かに起きることがあります。
周りが、決める練習をしません。判断すると否定されるか、そもそも判断する機会が来ない。だから、指示を待つようになります。
そして、これは周りの能力の問題ではありません。機会がなかっただけです。
見分け方があります。周りが「どうしましょう」と聞いてくるか、「こうします」と言ってくるか。前者が多いなら、機会が渡っていません。
1週間、渡してみる
確かめる方法は、単純です。
1週間、判断を渡して離れてみる。何が止まり、何が回るかが分かります。
回った部分は、もう渡せます。止まった部分だけを、順番に手当てすればいい。
1週間が難しければ、3日でも構いません。連休をそのまま使う形なら、業務への影響も小さくて済みます。
渡すときのコツ
- 範囲を決める。「◯万円まで」「この案件だけ」。全部か無かにしない。
- 結果を、あとで責めない。1回責めると、次から誰も判断しません。
- 判断の理由を聞く。正解を教えるより、考え方を確認するほうが育ちます。
- やり直しを、想定に入れる。渡した以上、多少の遠回りは費用です。
そして、渡したことを周りにも伝える。「この件は◯◯さんが決めます」。伝えていないと、結局こちらに確認が来ます。
自分と同じ判断を、期待しない
ここが、いちばん難しい部分です。
渡した相手は、自分とは違う判断をします。そして、それを見ると口を出したくなる。
ただ、口を出した時点で、渡したことになりません。結果が許容範囲なら、違っていても通す。ここを我慢できるかどうかで、決まります。
許容範囲の線は、先に自分の中で決めておく。「元に戻せるなら通す」。決めておかないと、その場の感覚で口を出すことになります。
記録が、いちばんの引き継ぎ
実務的な話も1つ。
判断の基準を、書いておく。何を優先するか、どこは譲れないか。頭の中にあるものを、文字にする。
これがあると、渡した相手が迷わずに済みます。そして、自分の判断も整理されます。
書く内容は、優先順位・譲れない線・相談してほしい場面の3つで足ります。網羅しようとすると、書き終わりません。
止まらない組織のほうが、強い
最後に。
自分がいないと回らない状態は、短期的には自分の価値を高く見せます。ただ、休めない、異動できない、次に進めない。
まとめ
- 止まるのは能力の証明ではなく、設計の問題
- 「どうしましょう」が多いなら、決める機会が渡っていない
- 1週間、判断を渡して離れてみる。3日でもいい
- 範囲を決め、渡したことを周りにも伝える
- 許容範囲の線を先に決めておかないと、その場で口を出してしまう
- 判断基準を、優先順位・譲れない線・相談してほしい場面の3つで書く
いなくても回る状態を作るほうが、結果として自分の選択肢が増えます。いまの形は、独裁者診断で確認できます。