良い部下とは、従順な人のことではない
言われたとおりに正確に動く人。長いあいだ、それが良い部下の像でした。ただ、その定義には決定的な弱点があります。上司が間違えたときに、誰も止められないということです。
信頼は、悪い知らせの速さでたまる
良い報告をいくら重ねても、信頼は思ったほど積み上がりません。決定的に効くのは、都合の悪いことをどれだけ早く出せるかです。
理由は単純で、上司にとっていちばん困るのは、悪い状況そのものではなく、手が打てなくなってから知らされることだからです。
解決してから報告したい気持ちは分かります。ただ、その待っている時間に、上司なら使えた手段があったかもしれない。解決策がなくても、事実だけ先に出す。これができる人は、それだけで信頼されます。
「どうしますか」の前に、案を1つ
自分で進める力は、才能というより言い方の問題であることが多い。
「どうしますか」と聞くと、上司は考えるところから始めます。「こう進めようと思いますが」と言えば、上司は判断するだけで済みます。同じ質問でも、相手の負担が半分になります。
そして、案を出す側にいると、決まったことが自分の仕事になります。指示された仕事より、自分で決めた仕事のほうが、たいてい早く終わります。
黙っていた反対は、賛成として記録される
意見を出す力は、いちばん誤解されている軸です。反対することが目的ではありません。
ただ、言わなかった懸念は、なかったことになります。あとから「実はまずいと思っていた」と言っても、決定は動きません。
言い方の型がひとつあります。反対ではなく「懸念」として出す。「反対ではないのですが、ここが気になります」。これなら争いになりませんし、記録には残ります。
上司を使えないことは、自立ではない
行き詰まったときに助けを求められない人は多い。理由はたいてい、力不足だと思われたくないからです。
ただ、比べてみてください。30分で聞いて解決するのと、3日抱えて間に合わなくなるのと、どちらが評価を下げるか。抱えて遅れるほうが、はるかに重い。
判断に迷うなら、ルールにしてしまうのが早い。「30分考えて進まなければ聞く」。時間で線を引くと、性格に関係なく実行できます。
7つの型と、次に足すもの
| 型 | 強み | 次に足すもの |
|---|---|---|
| 自走 | 速く進む | 着手前の5分の確認 |
| 声を上げる | 止められる | 指摘を1件、自分で引き取る |
| 報告が早い | 手が打てる | 報告に自分の案を添える |
| すり合わせ | やり直しが少ない | 決めていい範囲を先に聞く |
| やり切る | 約束を守る | 30分で助けを求める |
| 指示を待つ | 正確にこなす | 決めていい範囲を確認する |
| 抱え込む | 最後までやる | 事実だけ先に共有する |
上司との組み合わせで、型は変わる
最後にひとつ。この結果は、あなたの固定された性質ではありません。
同じ人でも、任せる上司のもとでは自走し、細かく握る上司のもとでは指示待ちになります。環境が半分、自分が半分。うまくいっていないとき、全部を自分の問題として引き受ける必要はありません。
そのうえで、自分の側で動かせるものが2つあります。悪い知らせを早く出すことと、早めに助けを求めること。この2つは、どんな上司のもとでも効きます。
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