飲める体質は、鍛えて手に入るものではない
アルコールを分解する働きには、生まれつきの個人差があります。これは訓練で変わるものではないとされています。飲めるようになることを目標にする理由は、どこにもありません。
体質は、選べない
少量で顔が赤くなる、動悸がする、頭痛が出る。これは体質による反応です。
そして、反応が出やすい人は、少量でも体への負担が大きいと考えられています。「飲んでいるうちに慣れる」という話もありますが、慣れるのは感覚のほうで、負担が減るわけではありません。
だから、飲めるようになることを目標にしないでください。自分の体質を知っておくと、無理に飲む理由がなくなります。
断ることに、理由は要らない
次に、場の話を。
飲酒の強要は、立場を使ったハラスメントとして扱われます。そして、断るのに理由の説明は要りません。
実務的には、この2つが使えます。
- 最初の1杯を断る。あとから断るより、はるかに簡単です。
- 「体質で飲めません」で止める。詳しく説明しない。それ以上は聞かれません。
断れない状態が続くなら、それは個人の問題ではなく、場の側の問題です。
量は、飲む前に決める
コントロールの話です。
飲み始めてから判断しようとすると、たいてい難しい。判断力が落ちている状態で、判断しようとしているからです。
だから、飲む前に「今日は◯杯」と決めておく。その場の判断にしない。これは、意志の強さとは別の話です。
翌日に残るのは、量が合っていない合図
もう1つ、分かりやすい指標があります。
翌日に体調や予定へ影響が出ているなら、量が体に合っていません。そして、飲酒は寝つきを良くする一方で、睡眠の後半を壊します。
眠れているつもりで、回復していない。寝酒を2週間やめて、朝の感じを比べてみると、はっきり分かります。
7つの型と、次の一手
| 型 | いまの状態 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 体質的に負担が大きい | 少量で反応が出る | 「体質で飲めません」で足りる |
| 場を楽しめている | 飲酒と楽しさが別 | 年に一度、量を確認する |
| 断れない | 場の側の問題が多い | 最初の1杯を断る |
| 量が増えている | 変化が出ている | 飲まない日を曜日で決める |
| 翌日に残る | 量が合っていない | 寝る3時間前までにする |
| 量を管理できている | 安定している | 環境が変わる時期に確認する |
| そもそも飲まない | リスクが小さい | 説明する義務はありません |
増えていることが、いちばんの情報
最後に、確認しておきたいことを。
量そのものより、「増えている」という変化のほうが重要な情報です。同じ量では物足りなくなっている、飲まない日が減っている。
そして、減らそうとして減らせない状態が続いているなら、意志の問題として扱わないでください。医療機関や精神保健福祉センターなど、無料で相談できる窓口があります。早いほど、選べる方法が多くなります。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。医学的な助言ではありません。20歳未満の方、妊娠中・授乳中の方、服薬中の方は飲酒を控えてください。飲酒に関する不安がある場合は、医療機関や精神保健福祉センターなどにご相談ください。