依存は、意志の弱さではない
この言葉には、責めるための使われ方が長くついてきました。ただ、責める枠組みでは、相談が遠のくだけです。ここでは、いま何が起きているかを分けて見ます。
まず、これは診断ではありません
はっきり書いておきます。依存症の診断は、医療機関でしか行えません。
ここでできるのは、状態を6つに分けて整理することだけです。そして、どの結果でも、心配があるなら相談してよい。整理は、相談するときの材料になります。
いちばん確かな指標は、生活への影響
量や回数は、人によって基準が違います。比べても、あまり意味がありません。
確かなのは、影響が出ているかどうかです。
- 仕事や家事。遅刻、欠勤、集中できない、締切に間に合わない。
- お金。予定外の支出、借入、支払いの遅れ。
- 健康。睡眠、体調、通院。
- 人間関係。指摘された、約束を破った、関係が変わった。
どれかが出ているなら、それだけで相談する理由としては十分です。
やめようとして戻るのは、意志の問題ではない
いちばん誤解されている部分です。
減らそうとして、戻る。これを何度か繰り返している場合、ひとりで対処する範囲を超えている可能性があります。
そして、「今度こそ自分で」を繰り返すほど、時間が過ぎます。同じ方法で戻っているなら、方法を変える。それだけの話です。
隠していると、誰も助けられない
もう1つ、進行を早める要素があります。
実際の量を人に言わない、少なめに伝える、見つからないようにする。隠すこと自体が、大きな負担になります。
そして、隠している状態では、周りが気づけません。言えない理由のほうに事情があるのは分かります。責められる、心配される、関係が変わる。どれも自然な不安です。
身近な人でなくて構いません。匿名で相談できる窓口があります。
回復を分けているのは、意志ではなくつながり
この診断で、唯一「高いほうがいい」軸があります。相談できる場です。
ひとりで抱えている状態は、それだけで確認する理由になります。逆に、話せる相手や窓口があると、状況がはっきり変わります。
相談先を調べておくだけでも構いません。使うかどうかは、そのあとで決められます。
相談できる場所
| 窓口 | 扱う内容 |
|---|---|
| 精神保健福祉センター | 各都道府県にあり、無料で相談できます。本人でも家族でも。 |
| 保健所 | 身近な相談窓口。適切な機関につないでもらえます。 |
| 医療機関 | 診断と治療。専門の外来がある病院もあります。 |
| 自助グループ | 同じ状況の人が集まる場。家族向けのグループもあります。 |
| 消費生活センター・法テラス | お金や借金が絡む場合。 |
制度や窓口の詳細は地域によって異なります。お住まいの自治体の情報をご確認ください。
家族の方へ
最後に、心配している側について。
- 責めても、止まりません。むしろ、隠す方向に働きます。
- 肩代わりしすぎない。借金の返済など、代わりに解決すると、状況が続きます。
- 家族だけで抱えない。家族向けの相談窓口と自助グループがあります。
- 本人が動く前に、家族が相談してよい。むしろ、そのほうが早いことがあります。
支える側も消耗します。自分の生活を守ることは、見捨てることではありません。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。医学的な診断ではありません。心配がある場合は、精神保健福祉センター、保健所、医療機関などにご相談ください。制度や窓口の詳細は、お住まいの自治体の情報をご確認ください。