高い基準は、向きひとつで武器にも壁にもなる
流行に流されない。妥協しない。自分を安売りしない。これらは確かな長所です。ただ、同じ基準が人の判定に使われると、孤立します。分けているのは、向きと実践です。
基準を持つことは、強みである
まず、良い面から。
自分の中に基準がある人は、選ぶものに一貫性があります。そして、流行が変わっても軸がぶれない。判断を人に預けなくて済むので、疲れません。
矜持も同じです。条件を下げないことは、長期的には得になります。安く受けたものは、安く扱われるからです。
危ういのは、人の判定に使ったとき
ここが分かれ目です。
基準が高いこと自体は問題ありません。問題は、それを人の価値の判定に使い始めたときです。
「くだらない」と思う。話が合わない相手を、内心で下に見る。すると、外からの情報が入らなくなります。そして、閉じた基準は更新されません。10年後も同じものを良いと言い続けることになります。
語るだけの高潔さは、何も生まない
厳しい書き方をしますが、これは重要な点です。
基準が高く、批評もできる。ただ、実際には手を動かしていない。この状態は、本人がいちばん気づけません。語っている時間が、やっている感覚を作るからです。
抜け方は1つです。自分が良いと思う基準で、1つだけ作ってみる。下手でも構いません。作ると、評し方が変わります。そして、作っている人を見下せなくなります。
妥協しないことと、何も残らないこと
もう1つの落とし穴です。
基準に合わないものを受け入れないと、質は保たれます。ただ、実行できる範囲が狭くなります。100点でなければ0点、という形になっていないか確認する価値があります。
対処は、線を引くことです。譲れない項目を3つだけ決めて、それ以外は譲る。そうすると、守るべきものが本当に守れます。全部を守ろうとすると、全部を失うことがあります。
7つの型と、次の一歩
| 型 | いまの状態 | 次の一歩 |
|---|---|---|
| 実践している | 基準を自分に向けている | 人に向けない。自分に向けたまま |
| 見下している | 人の判定に使っている | なぜ好かれているかを考える |
| 妥協しない | 届く範囲が狭い | 譲れない項目を3つに絞る |
| 美意識の人 | 押しつけていない | 謙虚さと安売りを分ける |
| 語るだけ | 作っていない | 1つだけ作ってみる |
| 気位を持たない | 安売りしている | 条件を1つ下げずに伝える |
| 開かれている | 見下さず、やっている | 譲れないものを3つ決める |
基準を持ちながら、他人の基準も認める
最後に、いちばん強い形について。
自分の基準を持ちながら、他人の基準も認められる。これができると、高い基準が武器になります。人が集まりますし、基準そのものも更新され続けます。
難しく聞こえますが、やることは1つです。自分が価値を認めないものについて、良さを説明できる人の話を1度だけ聞く。同意しなくて構いません。存在を認めるだけで、閉じずに済みます。
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