メタ思考とは、考えていることを考えること
目の前の問題を解くのが「思考」だとすれば、その解き方が適切かを見直すのが「メタ思考」です。 一段高いところから自分と状況を眺める視点、と言い換えてもいい。 努力の方向が合っているかを確かめられるのは、この視点だけです。
頑張っているのに進まないとき
仕事が進まない原因は、たいてい二つに分かれます。やり方が非効率なのか、 そもそもやるべきことが違うのか。前者は工夫で解けますが、後者は工夫すればするほど遠ざかります。
没入しているとき、人はこの区別ができません。目の前の作業に集中しているほど、 「これは何のための作業か」という問いは浮かばなくなります。 だから週に一度でよいので、手を止めて眺める時間が要ります。仕組みとして入れておかないと、まず生まれません。
前提を疑うのは、行き詰まったときだけでいい
「そもそも必要か」と問い直す力は強力ですが、常に使うと周囲は前に進めません。 順調に回っているときは、前提に乗ったまま進むほうが速い。
使いどころは、行き詰まったときです。制約を並べて、「これは本当に動かせないのか」「誰が決めたのか」を 一つずつ確かめる。動かせないと思っていた条件の半分は、実は誰も決めていなかった、ということがよくあります。
整理は目的ではない
複雑な話を切り分けて並べられる人は、議論を一気に前に進めます。ただし注意点があります。 きれいに整理された枠に、事実のほうを合わせてしまうことです。
枠に収まらなかったものは、捨てずに残してください。収まらないものにこそ本質があることが少なくありません。 そして整理の最後には、必ず「だから何をするか」を書く。ここがないと、整理は作業で終わります。
考えすぎと、メタ思考は違う
頭の中で同じことを何度も検討している状態は、メタ思考のように見えて、実は違います。 内側だけで回している限り、材料が増えないので結論も変わりません。
抜け出す方法は決まっています。外に出すことです。紙に書く、人に話す、小さく試して事実を取る。 そして「何が分かれば決められるか」を一行書いて、それだけを調べに行く。 材料は完璧には揃わないので、期限を決めて、そこで結論を出してください。
自分の判断の癖は、記録からしか見えない
自分がどう考えて結論に至ったかは、時間が経つと思い出せません。残るのは結論だけです。 だから同じ判断の癖を、何度でも繰り返します。
効くのは、決めたときに「なぜそう決めたか」を1行だけ残すことです。 数か月後に読み返すと、自分がどんなときに楽観的になり、どんなときに慎重すぎるかが見えてきます。 これは他人には見えない情報で、自分にしか集められません。
7つのタイプと、次の一手
| タイプ | 強みが出る場面 | 次の一手 |
|---|---|---|
| 俯瞰型 | 力の入れどころを見極める | 現場の一手に翻訳してから配る |
| 前提を疑う型 | 解けない問題の形を変える | 代わりの案をセットで出す |
| 構造化型 | 混線した議論を整理する | 枠に収まらないものを残す |
| 多視点型 | 交渉・調整 | 誰の視点で決めるか先に決める |
| 内省型 | 判断の癖に気づく | 気づいたことを人に共有する |
| 思考のループ型 | — | 頭の外に出す。期限を決める |
| 没入型 | 実行力・動き出しの速さ | 週15分だけ手を止める時間を置く |
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