迷う前に決めておく。投資の「自分ルール」を1枚に書く
相場が動いているときほど、判断力は落ちます。だから決めごとは平常時に書いておく。これは臆病な人のための工夫ではなく、耐えられる人にこそ効きます。書くべき5項目をまとめました。
- こんな人に
- 相場の動きに振り回される人
- 結論
- 判断力が落ちる場面のために、決めごとを平常時に1枚書いておく
- 読む時間
- 約3分
相場が大きく動いている日に、冷静な判断をした記憶がある人は少ないと思います。当然で、判断力がいちばん落ちているときに、いちばん重い判断を求められるのがこの分野の構造だからです。
ルールは、臆病な人のためのものではない
決めごとを作ると聞くと、自信のない人のための工夫のように聞こえます。実際は逆で、耐えられる人ほど必要です。
理由は単純で、強い人ほどその場の裁量を信じて動くからです。「今回は状況が違う」と思える人が、いちばんルールを外れます。そして外れた判断は、うまくいっても再現できません。
1枚に書く、5つの項目
長い文章は要りません。紙1枚、5行で足ります。
- ① 毎月いくら投じるか。相場を見てから決めない。可能なら自動化して、判断を挟まない形にします。
- ② 年に何回、資産を確認するか。回数を減らすほど、感情が判断に触る機会が減ります。通知は切る。
- ③ 何があっても売らない範囲。先に決めておくと、下がった日に考えずに済みます。
- ④ どうなったら見直すか。相場ではなく、収入・家族構成・使う時期といった前提の変化で見直す。
- ⑤ 迷ったときの待機期間。方針を変えたくなったら、実行を1週間遅らせる。1週間後も同じ判断なら、それは感情ではありません。
なぜ「書く」必要があるのか
頭の中の方針は、状況に合わせて静かに書き換わります。しかも本人には、書き換わったことが分かりません。
紙に書いてあると、書き換えるときに書き換えたという事実が残ります。これが効きます。判断を禁じるのではなく、判断を自覚させるための装置です。
置き場所は、見えるところが良いのですが、毎日見る必要はありません。動きたくなった日に取り出せれば十分です。
ルールに入れないほうがいいこと
- 数値の目標。「年◯%」は自分では決められません。決められないものを書くと、守れない項目が増えて紙全体の重みが落ちます。
- 細かすぎる条件。分岐が増えるほど、その場の解釈が入ります。5行で足りる範囲に収める。
- 他人の方針。誰かの配分をそのまま書くと、下がったときに自分の言葉で説明できなくなります。
見直しは、年に一度でいい
ルールは固定するものではありません。前提が変われば、ルールも変わります。
ただし、見直す日を決めておくことが大事です。「気になったときに見直す」は、実質的にルールがないのと同じです。年に一度、日付を決めて、その日にだけ書き換える。
書き換えるときは、古い紙を捨てずに残しておくと役に立ちます。去年の自分が何を考えていたかは、来年の判断材料になります。
ルールがあると、決めなくてよくなる
この作業のいちばんの効果は、成績ではありません。考える回数が減ることです。
相場が動くたびに考えていると、それだけで気力を使います。ルールがあれば、多くの日は「何もしない」が答えになります。何もしないと決まっていること自体が、生活を軽くします。
まとめ
- 判断力がいちばん落ちる場面で、いちばん重い判断を求められる構造
- ルールは臆病な人ではなく、耐えられる人ほど必要
- 書くのは5項目:毎月の額・確認回数・売らない範囲・見直す条件・待機期間
- 紙に書くと、方針を書き換えたという事実が残る
- 数値目標や他人の方針は書かない
- 見直しは日付を決めて年に一度。古い紙は残しておく