同じ量を働いても、消耗する人としない人がいる
働く時間の長さで、疲れ方は決まりません。長く働いていても平気な人がいるし、短くても仕事から離れられない人がいます。効いているのは時間ではなく、降りられるかどうかです。
時間ではなく、切り離せるか
いちばん効いているのが、この軸です。
休みのあいだ、仕事が頭から離れるか。離れていれば、短い休みでも回復します。離れていなければ、長く休んでも回復しません。
「時間を取っているのに疲れが抜けない」という人は、ここが低いことが多い。体は休んでいても、頭が働き続けています。
罪悪感があると、休んでも休めない
もう1つ、回復を止めているものがあります。
何もしていないと落ち着かない、休むことに後ろめたさがある。罪悪感を抱えたままの休息は、休息になりません。
対処は、意志ではありません。休む予定を、仕事の予定と同じ扱いでカレンダーに入れること。罪悪感は、判断の余地があるから出ます。決まっていれば、出番がなくなります。
いちばん危ないのは、仕事以外の場所がないこと
この診断で、いちばん見えにくい弱点がここです。
人間関係も予定も、ほとんど仕事から来ている。いま困っていないので、気づけません。
問題が出るのは、離れたときです。異動、休職、退職。仕事がなくなると、行き場と人間関係が同時に消えます。そして、仕事の外の関係は、在職中にしか作りにくい。時間ができても、きっかけがなくなるからです。
週1回、仕事と関係のない場所を持つ。これだけで、崩れ方がまったく変わります。
仕事と自分が一体化すると、まとめて崩れる
自己紹介が仕事の話だけになっている。仕事がうまくいかないと、自分に価値がない気がする。
この状態は、強い力になります。実際、成果も出ます。ただ、土台が1つしかないので、そこが揺れると全部が揺れます。
確かめ方があります。仕事の話をせずに、自分を3行で説明してみる。書けないなら、土台が1つになっています。
理由が見えないと、いちばん消耗する
意外に大きいのが、この軸です。
目的があって忙しいのと、忙しさだけがあるのとでは、同じ時間でも疲れ方が違います。
ただし、順番に注意が要ります。理由が見えないのは、疲れの結果であることも多い。判断力が落ちていると、意味を考えても答えが出ません。まず休んで、それから考えるほうが早いことがあります。
7つの型と、次にやること
| 型 | 起きていること | 次にやること |
|---|---|---|
| 仕事人間 | 休めない・合図を無視 | 休む予定をカレンダーに入れる |
| 打ち込めている | 量は多いが消耗していない | 支えている条件を書き出す |
| 仕事以外に場所がない | 離れたときに全部が消える | 外の場所を1つ作る |
| 止まると落ち着かない | 休んでも回復しない | 休む予定を先に決める |
| 体の合図を無視する | 限界まで気づけない | 合図を3つ決めておく |
| 切り離せている | 回復できている | 休めない人に「休め」と言わない |
| 理由が見えない | 量だけが残っている | まず休む。考えるのはそのあと |
気合いで乗り切れることが、危うさ
体の合図を無視できてしまう人へ。
無視できることが、この型の危うさです。限界まで気づけないので、前触れなく来ます。
必要なのは、感覚ではなく観測できる合図です。睡眠、食欲、人にきつい言い方をしていないか。この3つを決めておくと、自覚より早く気づけます。そして、身近な人に「疲れてそうなら言って」と頼んでおく。自分では見えません。
構造の問題なら、心構えでは変わらない
最後に、これは書いておきます。
長時間労働が常態化している、人員が足りない、断れる裁量がない。こうした状態は、働き方の問題ではなく労働環境の問題です。
心構えを変えても解決しませんし、そう扱うこと自体が当事者を追い込みます。社内の相談窓口、外部の労働相談、労働基準監督署。使える仕組みがあります。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。医学的な助言ではありません。強い疲労や気分の落ち込みが続く場合は医療機関に、長時間労働が常態化している場合は労働相談の窓口にご相談ください。