仕事の話をせずに、自分を3行で説明できるか
仕事が自分そのものになると、強い力になります。ただ、土台が1つなので、そこが揺れると全部が揺れます。確かめ方と、足し方の話です。
- こんな人に
- 仕事が自分そのものになっている人
- 結論
- 土台が1つだと、異動や失敗でまとめて崩れる。もう1つ足しておく
- 読む時間
- 約3分
自己紹介をすると、自然に仕事の話になる。仕事がうまくいっていないと、自分に価値がない気がする。
この状態は、強い力になります。同時に、特定の弱さも持っています。
そして、強い時期には弱さが見えません。うまくいっているあいだは、何の問題も起きないからです。
一体化は、力になる
先に、良い面から。
仕事と自分が重なっている人は、細部まで手を抜きません。仕事の質が、自分の評価と直結しているからです。実際、成果も出ます。
そして、迷いが少ない。何を優先するかで悩む時間が短く、動きが速い。
土台が1つだと、まとめて崩れる
弱さは、構造から来ます。
自分を支えているものが1つしかないと、そこが揺れたときに全部が揺れます。
- 異動。役割が変わっただけなのに、自分が否定された感じになります。
- 失敗。仕事の失敗が、人としての失敗に感じられます。
- 退職・定年。自分が何者か分からなくなります。
どれも、いつか起きることです。起きるかどうかではなく、いつ起きるかの問題です。
そして、回復にも時間がかかります。仕事だけの問題なら数か月ですが、自己像まで揺れると、もっと長く残ります。
確かめ方は、3行
自分の状態を確かめる方法があります。
仕事の話をせずに、自分を3行で説明してみる。職種も、会社名も、役職も使わずに。
書けないなら、土台が1つになっています。これは能力の問題ではなく、単に他の面を言葉にしていないだけのことが多い。
書くときは、役割・続けていること・大事にしていることの3つで考えると出てきます。「親である」「10年通っている店がある」「本を読む」。それで足ります。
土台を、もう1つ作る
足し方は、大げさでなくて構いません。
- 役割を1つ持つ。家族の中、地域の中、趣味の集まりの中。仕事と関係のない役割。
- 続けているものを1つ持つ。年数が積み上がるものは、土台になりやすい。
- 評価されない場所を持つ。成果で測られない場所での関係は、崩れにくい。
1つ足すだけで、崩れ方がまったく変わります。2つあれば、片方が揺れても立っていられる。
選ぶときは、仕事と連動しないものにしてください。同業の集まりや、資格の勉強は、仕事が揺れると一緒に揺れます。
「仕事が好き」とは違う
区別しておきたい点があります。
仕事が好きで打ち込んでいることと、仕事が自分そのものになっていることは別です。
見分ける問いは、「この仕事を辞めても、自分は自分でいられるか」。いられると思えるなら、好きなだけです。分からなくなるなら、一体化しています。
そして、一体化しているのは悪いことではありません。力の源でもあります。土台をもう1つ足せばいい、というだけの話です。
定年は、必ず来る
最後に、時間の話を。
一体化していると、仕事を離れる時期がいちばん危ない。役割と人間関係と自己像が、同時に消えるからです。
そして、そのときに作り始めるのは難しい。いまのうちに、もう1つ土台を作っておく。これは、退職の準備というより、いまを守るための話でもあります。
まとめ
- 一体化は力になる。ただし、強い時期には弱さが見えない
- 土台が1つだと、異動・失敗・退職でまとめて崩れる
- 自己像まで揺れると、回復にも時間がかかる
- 仕事の話をせずに、自分を3行で説明してみる
- 役割・続けていること・大事にしていること、の3つで考える
- 足す土台は、仕事と連動しないものを選ぶ
自分の状態は、仕事人間診断で確認できます。