助ける力には、4つの壊れ方がある
困っている人を見過ごせない。この性質は、まわりを確実に助けています。ただ、助ける力そのものが壊れる形がいくつかあります。知っておくと、長く続けられます。
壊れ方① 見極めずに飛び込む
自分の余力を計算せずに引き受ける形です。短期には成果が出ますが、続きません。
そして、頼りにされるほど量が増えます。断らない人には、断らないという理由だけで依頼が集まります。
止めるべきは動く力ではなく、引き受ける前の3秒です。いまの持ち分を、一度だけ確認する。それだけで、続き方が変わります。
壊れ方② 相手の課題を奪う
見ていられずに、相手がやるべきことまで代わりにやってしまう形です。
良かれと思ってやっていることが、逆に働きます。相手が自分でできる機会を減らし、頼らざるを得ない関係を作る。そして、こちらの仕事は終わりません。
手伝うことと、背負うことは違います。「これは誰の課題か」を、引き受ける前に確認してください。
壊れ方③ 見返りを求めてしまう
求めること自体は、まったく自然なことです。問題は、期待していると自分で気づいていないとき。
返ってこなかったときに、恨みに変わります。そして、その気持ちは相手にも伝わります。
先に確認しておくだけで防げます。「返ってこなくても平気か」。平気でないなら、引き受けないという選択もあります。
壊れ方④ 続けられる設計がない
自分ひとりに依存した形で助けていると、途中で止まります。そして、途中で止まる助けは、始めから助けないより悪い結果になることがあります。
対処は単純です。同じ助けを3回やったら、手順にして人に渡せる形にする。個人技をやめると、量が減り、しかも助けが続きます。
7つの型と、次にやること
| 型 | 起きていること | 次にやること |
|---|---|---|
| 飛び込む | 余力を見ずに引き受ける | 引き受ける前に持ち分を確認 |
| 救わずにいられない | 相手の課題を奪う | 「これは誰の課題か」を確認 |
| 認められたい | 返ってこないと恨みになる | 先に「平気か」を確認する |
| 燃え尽きかけている | 無理で回している | 3回やったら手順にする |
| 仕組みで助ける | 長く効く形 | 緊急時は仕組みを待たない |
| 動けない | 慎重さは資産 | 月に1回、小さく動いてみる |
| 見極める | 選べている | 動かない理由を一言添える |
動けないことも、選択として記録される
逆側の話も書いておきます。
慎重さは資産です。境界も守れていますし、相手の力を奪いません。ただ、誰かが動かないと、状況は変わりません。
全部に手を出す必要はありません。月に1回、小さいことで1つだけ動いてみる。あるいは、直接動かずに人につなぐ。それも助けです。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。消耗が続いている場合や、支える側として限界を感じている場合は、公的な相談窓口の利用も検討してください。