見ていられずに代わりにやると、相手の機会が減る
見ていられずに代わりにやってしまう。良かれと思ってやっていることが、相手が自分でできる機会を減らします。「これは誰の課題か」の話です。
- こんな人に
- つい代わりにやってしまう人
- 結論
- 奪っているのは経験のほう。「これは誰の課題か」を1つ挟む
- 読む時間
- 約3分
相手が困っているのを見ていられない。だから、代わりにやってしまう。
この行動には、はっきりした副作用があります。相手が自分でできる機会を、減らしています。
しかも、その場では感謝されます。だから、副作用に気づく機会がありません。
奪っているのは、経験のほう
代わりにやると、その場は解決します。相手も助かります。
ただ、次も同じ場面が来たとき、相手はまだできません。そして、また誰かに頼むことになる。
結果として、頼らざるを得ない関係ができあがります。善意から始まっているぶん、誰も止められません。
見分けるサインがあります。同じ人から、同じ内容の依頼が何度も来る。増えているなら、経験ではなく作業を引き受けています。
「これは誰の課題か」
引き受ける前に、この問いを1つ挟むだけで変わります。
- 相手の課題。相手が自分でやるべきこと。手伝ってよいが、代わりにやらない。
- 自分の課題。自分の責任範囲。ここは引き受ける。
- 誰の課題でもない。そもそも、いま解決しなくていいこと。
3つ目が意外に多い。急いで解決しなくていいことを、急いで解決していることがあります。
判断に迷ったら、「自分が動かなかったら、最終的に困るのは誰か」で考えると分かりやすい。自分でないなら、相手の課題です。
代わりにやるのではなく、やり方を渡す
手伝いたい気持ちを、否定する必要はありません。形を変えます。
代わりにやるのではなく、やり方を渡す。最初は時間がかかります。自分でやったほうが速い。
ただ、2回目からは相手ができます。3回目には、あなたは呼ばれません。それが目的です。
渡すときは、横で見ているだけにする。手を出すと、結局こちらがやったことになります。もどかしくても、口だけにする。
失敗する余地を、残す
もう1つ、難しいことを。
相手が失敗する余地を、残しておく。取り返しのつくことなら、失敗させたほうがいい。
失敗しないように先回りし続けると、相手はいつまでも判断の練習ができません。そして、取り返しのつかない場面で、初めて判断することになります。
残す範囲は、お金、時間、やり直しの手間で測れるもの。安全に関わることと、他人に影響することは、先に止めて構いません。
自分の側の理由も、見ておく
最後に、少し踏み込んだ話を。
見ていられない理由が、相手のためだけとは限りません。頼られること自体が、自分の支えになっていることがあります。
これは悪いことではありません。ただ、自覚していないと、相手が自立していくことを、寂しく感じます。そして、無意識に手を出し続ける。
まとめ
- 代わりにやると、その場は感謝されるので副作用に気づけない
- 同じ人から同じ依頼が繰り返されるなら、作業を引き受けている
- 「これは誰の課題か」を1つ挟む。誰の課題でもないことも多い
- 代わりにやらず、やり方を渡す。渡したら手を出さず口だけにする
- 取り返しのつく失敗は残す。安全と他人への影響は先に止める
- 見ていられない理由が、自分の側にないかも確認しておく
一度だけ、確認してみてください。自分の状態は、ヒーロー診断で確認できます。