相手を変えても、同じところで止まるとき
相手が変わっても、同じ形で関係が終わる。よくあることですが、これは相性の問題ではないかもしれません。前提のほうが先にあると、誰と会っても同じ場所で止まります。
止めているのは、たいてい3つの文
関係の手前で働いている前提は、言葉にすると短い。
- どうせ選ばれない。好意を向けられても、裏を探してしまいます。
- 迷惑をかけてしまう。頼れず、弱いところを見せられません。
- 素を見せたら離れていく。だから、演じることになります。
どれも、実際に試して確かめた結論ではないことが多い。過去のどこかで作られて、そのまま更新されていない前提です。
気を遣うほど、遠い人になる
いちばん誤解されやすいのが、迷惑をかける恐れです。
頼らず、自分の話をせず、弱いところを見せない。本人にとっては配慮ですが、受け取る側からは距離を置かれているように見えます。頼られない相手は、こちらを遠い人だと感じるからです。
結果として、気を遣うほど関係が薄くなる。頼ることは、相手に役割を渡すことでもあります。断られても困らない小さな頼みごとから始めてみてください。
確かめるほど、遠ざかる
見捨てられ不安が強いときも、同じ構造が起きます。
返信が遅い、機嫌が違う。気になって確かめる。確かめられた側は疲れる。疲れが伝わって、不安がさらに強くなる。この往復は、意志では止まりません。
止められるのは、行動のほうだけです。不安は持ったまま、送るのを24時間だけ遅らせる。感じることと、することを切り離すと、回り方が変わります。
うまくいきかけたときに、離れたくなる
距離が縮まると、自分から引いてしまう。この形も珍しくありません。
理屈は通っています。失う前に自分から終わらせれば、傷が小さく済む。ただ、毎回同じところで終わるので、確かめる機会が永久に来ません。
効くのは、判断を遅らせることです。離れたくなった週は、何も決めない。1週間おいてから考えると、そのまま続けられることがあります。
7つの型と、最初の一歩
| 型 | 働いている前提 | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| 資格がないと思う | どうせ選ばれない | 好意に「ありがとう」とだけ返す |
| 見捨てられ不安が強い | いつか離れていく | 確かめるのを24時間遅らせる |
| 素を出せない | 本当の自分では嫌われる | 小さな好き嫌いを1つ言う |
| 近づく前に引く | 失う前に終わらせたい | 離れたい週は、何も決めない |
| 迷惑をかけたくない | 頼ると負担になる | 小さな頼みごとを1つする |
| 人を信じきれない | 裏があるはずだ | 証拠がなければ保留にする |
| ブロックが薄い | なし | 相手の速度を待つ |
前提は、少しずつしか更新されない
「思い込みを手放す」と言われても、そう簡単には変わりません。前提は、経験でしか書き換わらないからです。
だから、小さく試します。好き嫌いを1つ言ってみて、壊れないことを確認する。頼んでみて、相手が嫌がらないことを確認する。1回では変わりませんが、3回、5回と重なると、前提のほうが動きます。
急に全部を出すのは、逆効果です。相手を試す形になってしまうからです。
自分の側だけの問題では、ないこともある
最後に、これは書いておきます。
関係がうまくいかない原因は、常にこちらの側にあるとは限りません。相手が支配的である、繰り返し傷つけてくる、こちらを試してくる。そういう場合は、自分の前提を直しても解決しません。
暴力や強い支配がある場合は、この診断の範囲外です。公的な相談窓口があります。ひとりで抱えないでください。
この記事は本アプリのために書き下ろしたものです。特定の書籍・論文からの引用は含みません。心理検査ではありません。生活に支障が出ている場合、暴力や支配的な言動を受けている場合は、医療機関や公的な相談窓口にご相談ください。