悪い知らせは早く出す。解決してから報告したくなる気持ちの扱い方
解決策とセットでないと報告してはいけない、と思っていませんか。上司がいちばん困るのは悪い状況そのものではなく、手が打てなくなってから知らされることです。事実だけ先に出す技術の話です。
- こんな人に
- 悪い報告を切り出しにくい人
- 結論
- 上司が困るのは悪い状況ではなく、手が打てない時点で知ること
- 読む時間
- 約2分
トラブルに気づいた。まだ解決していない。このまま報告すると、能力を疑われる気がする。
だから、なんとかしてから伝えようとする。この判断は、ほとんどの場合裏目に出ます。
上司が困るのは、遅さのほう
上司の立場から見ると、悪い状況そのものは仕事のうちです。困るのは別のことで、手が打てなくなってから知らされることです。
あなたが解決しようとしている数日のあいだに、上司なら使えた手段があったかもしれません。人を増やす、期限を交渉する、優先順位を変える。あなたの権限では届かない選択肢を持っているのが上司です。
だから、抱えている時間は、選択肢を捨てている時間でもあります。
解決策がなくても、報告していい
多くの人が、報告は対策とセットでないといけないと思っています。そんなルールはありません。
伝えるのは3つだけです。
- 事実。何が起きたか。「金曜の納品が、月曜にずれそうです」
- 影響。どこに響くか。「先方の検収が1週間遅れます」
- いま必要なもの。判断か、人か、時間か。分からなければ「相談したいです」で構いません。
原因の分析は、あとで構いません。対処が終わってからのほうが、正確に分かります。
タイミングは「間に合わないと分かった時点」
基準を決めておくと、迷いません。間に合わないと分かった瞬間です。実際に間に合わなかった日ではありません。
この2つには、たいてい数日の差があります。その数日が、手を打てるかどうかを分けます。
もし上司が報告の基準を示していないなら、こちらから聞いてしまうのが早い。「どれくらいの遅れなら、その時点で共有したほうがいいですか」。一度聞けば、以後は迷いません。
言い方は、短くていい
長く説明しようとすると、報告そのものが億劫になります。
「まずいことが起きたので、5分ください」。これで始めて構いません。前置きや謝罪を先に置くと、肝心の事実にたどり着くのが遅くなります。
文面で送る場合は、1行目に結論を置く。「納期が遅れます」から始めて、詳細はそのあとに書きます。
責められたときに、どうするか
正直に言うと、早く報告しても責められることはあります。そのときに考えたいのが、次の点です。
- 反応が感情的なだけなら、内容は聞かれている。時間が経つと、早く言ったことのほうが評価されます。
- 毎回そうなら、報告の基準を先に合意しておく。「この水準で共有します」と決めておくと、感情の余地が減ります。
- それでも変わらないなら、記録に残す形で報告する。口頭ではなく、短いメッセージで。
報告して責められる不利より、隠して発覚する不利のほうが、はるかに大きい。これは、どんな上司のもとでも変わりません。
信頼は、良い報告ではたまらない
最後に、覚えておくと得なことを。
順調な報告をいくら重ねても、信頼はあまり積み上がりません。決定的に効くのは、都合の悪いことを早く出せるかどうかです。
そして、これは能力ではなく習慣です。自分の現在地は、良い部下診断の「悪い知らせの速さ」で確認できます。