良い道具を入れたのに使われない。説明不足ではありません
良い道具でも、現場が使わなければ何も変わりません。そして、使われない理由は説明不足ではないことが多い。聞きにいく話です。
- こんな人に
- 道具を入れたのに使われず困っている推進役
- 結論
- 原因は説明不足ではない。いちばん反対している人に、1対1で聞きにいく
- 読む時間
- 約2分
良い道具を入れた。説明もした。それなのに、使われない。
このとき、「現場の意識が低い」で片づけると、次も同じことが起きます。
そして、意識の問題にした時点で、対処がなくなります。
使われない理由は、説明不足ではない
まず、よくある誤解を外しておきます。
説明を増やしても、使われるようにはなりません。理由が別のところにあるからです。
- 手間が増えた。入力が増えた、二重管理になった。全体では減っていても、その人の作業は増えている。
- 評価が下がる気がする。作業が見える化されて、監視されているように感じる。
- 覚え直しが必要。いまのやり方で回っているのに、負担だけが増える。
- 前に失敗した。同じような導入で、痛い目に遭っている。
どれも、正当な理由です。
そのうえ、これらは説明の場では出てきません。「手間が増えるので反対です」とは言いにくいからです。だから、聞きにいく必要があります。
いちばん反対している人に、聞く
やることは、1つだけです。
いちばん反対している人に、何が困るのかを聞きにいく。
説得しにいくのではありません。聞きにいく。ここを間違えると、相手はさらに構えます。
そして、聞いた内容は、たいてい設計に反映できます。反対していた人が、いちばんの協力者になることも珍しくありません。
聞くときは、1対1にする。会議の場だと、立場のある発言になります。廊下でも、席まで行ってでも構いません。
手間の総量を、確認する
もう1つ、事前にできることを。
誰の手間が増えるかを、先に特定しておく。全体で減っていても、特定の人には増えていることがあります。
そして、増える分をどう補うかまで設計する。ここがないと、その人が使わなくなり、そこから崩れます。
補い方は、別の作業を減らす、入力を代行する、期間を区切るのどれかになります。何も用意できないなら、その設計には無理があります。
道具の説明ではなく、手間の話をする
伝え方の話も1つ。
機能の説明をしても、現場には響きません。「この作業が、何分減ります」のほうが伝わります。
そして、減った時間が何に使えるかまで言う。「早く帰れます」「別の仕事に回せます」。ここまで見えると、協力が得られます。
そして、減った時間を回収しない。空いたぶんに別の仕事を入れると、次からは協力が得られません。
抵抗する側の気持ちが分かる人は、強い
最後に。
新しい道具に抵抗がある人は、DXに向いていないと思われがちです。実際には逆のことがあります。
抵抗する現場の気持ちが分かる人は、推進役として強い。道具は、詳しい人に任せればいい。橋渡しができる人のほうが、希少です。
まとめ
- 「意識が低い」で片づけた時点で、対処がなくなる
- 手間・評価・覚え直し・過去の失敗。どれも正当な理由
- それらは説明の場では出てこないので、1対1で聞きにいく
- 誰の手間が増えるかを先に特定し、補い方まで設計する
- 機能ではなく「この作業が何分減るか」を話す
- 減った時間を回収しない。回収すると次から協力されない
自分の立ち位置は、DX適性診断で確認できます。