「人にしかできない」仕事を、10の手順に割ってみる
判断が要る部分と、作業の部分が分かれていないだけのことがあります。1つの業務を10の手順に書き出すと、見えてきます。
- こんな人に
- 「うちの仕事は自動化できない」と言われる現場の人
- 結論
- 1つの業務を10手順に割ると、3つは判断の要らない作業。そこから減らす
- 読む時間
- 約2分
「この仕事は、人にしかできない」。よく言われる言葉です。
そして、たいてい正しい。ただし、業務全体としては、という意味でです。
つまり、否定すべきなのは前提ではなく、粒度のほうです。
仕事は、工程の集まり
1つの業務を細かく見ると、性質の違う作業が混ざっています。
- 判断が要る部分。状況を見て、決める。ここは人がやります。
- 転記や集計。決まったルールで、形を変える作業。
- 確認と照合。ルールが決まっていれば、自動化しやすい。
- 連絡と共有。タイミングと宛先が決まっているなら、仕組みにできます。
全部を自動化する必要はありません。10のうち3つ減れば、効果は出ます。
そして、減らす価値が高いのは、判断を伴わないのに神経を使う作業です。転記や照合は、間違えられないぶん疲れます。ここが減ると、体感としてはっきり変わります。
10の手順に書き出す
やり方は、単純です。
1つの業務を、10の手順に書き出してみる。細かく分けるほど、性質の違いが見えます。
そして、それぞれに「判断」か「作業」かを書く。作業のほうが、手をつけられる部分です。
書き出すときのコツは、「〜する」で終わる文にすることです。「確認」ではなく「一覧と請求書を突き合わせる」。動作になっていないと、分解が止まります。
分解すると、引き継ぎもできる
副産物があります。
分解した業務は、人に渡せます。「見て覚えて」ではなく、手順として渡せる。
これは、道具を入れなくても効きます。属人化が減るだけで、休めるようになります。
そして、渡せる状態になっていること自体が評価されます。抱えている人より、渡せる人のほうに次の仕事が来ます。
判断の部分も、条件を書き出す
もう一段進めるなら、これも試せます。
判断が要る部分について、「どういうときに、どうするか」を書き出す。
すると、実は条件が決まっていたことが分かる場合があります。8割は条件で決まり、残り2割だけが本当の判断、ということはよくあります。
このとき、2割のほうを削ろうとしない。そこが、その仕事の価値です。8割を減らして、2割に時間を回すのが目的です。
現場が持っている情報
注意点を1つ。
分解は、実際にやっている人としかできません。管理職の理解と、現場の実態は、たいていずれています。
一緒に書き出す形にすると、精度が上がります。そして、現場が参加していると、あとの定着も変わります。
減らすのは、3つでいい
最後に。
10の工程のうち、3つ減らせれば十分な成果です。全部を変えようとすると、大がかりになって止まります。
まとめ
- 「人にしかできない」は業務全体としては正しい。粒度が粗いだけ
- 判断・転記・照合・連絡に分けると、手がつけられる部分が見える
- 効くのは、判断を伴わないのに神経を使う作業を減らすこと
- 手順は「〜する」で終わる文に。動作になっていないと分解できない
- 判断の8割は条件で決まっている。残り2割は削らない
- 分解は現場と一緒に。現場が参加していると定着も変わる
自分の立ち位置は、DX適性診断で確認できます。