最後の画面で金額が上がる。離脱は消えたのではなく、後ろにずれた
手数料や送料を最後に足すと、途中の離脱は減ります。ただ、その分が返金と問い合わせに移っているだけのことが多い、という話です。
- こんな人に
- 価格表示を設計する人
- 結論
- 最後に足すと離脱は後ろにずれるだけ。返品と問い合わせに移っている
- 読む時間
- 約2分
商品ページでは3,000円だったのに、最後の画面で3,800円になっている。
この設計は、途中の離脱を減らします。ただ、減った離脱がどこに移っているかを見る必要があります。
そして、移った先のコストは、別の部署が払っていることが多い。だから、判断に反映されません。
離脱は、後ろにずれているだけ
総額を最後に見せると、次のことが起きます。
- 最終画面での離脱。ここまで来た人が離れるので、より無駄が大きい。
- 購入後の後悔。返品や解約の理由になります。
- 問い合わせ。「聞いていた金額と違う」という連絡が増えます。
- 評価の低下。レビューや評判に、直接効きます。
途中の離脱率だけを見ていると、これらが見えません。
とくに4つ目は、あとから効きます。金額の不一致は、レビューでいちばん書かれやすい内容の1つです。
無料期間の表示は、とくに注意
サブスクで問題になりやすいのが、ここです。
無料期間のあとの料金と、課金開始日を明示する。小さい文字に逃がさない。
明示しないと、課金された時点で問い合わせが来ます。そして、その多くはそのまま解約になります。短期の登録数は伸びても、継続率は下がる。
あわせて、課金前に通知すると、解約が減ることがあります。忘れていた人が判断できるので、納得したうえで続きます。
点検は、画面を並べるだけ
自社の状態を確認する方法は簡単です。
購入完了までの各画面で、表示されている金額を並べる。どこで、いくら上がっているか。
上がっている箇所があれば、それを最初の画面に出したときの完了率を測ってみる。期間を区切って比較すれば、判断できます。
測るときは、スマートフォンの画面でも確認する。表示領域が狭いぶん、金額が見えない位置に入りやすくなります。
総額を先に出すと、どうなるか
実際に変えると、こうなることが多い。
- 初期の離脱は増える。金額を見て、その場で判断する人がいます。
- 最終の完了率は上がる。ここまで来た人は、納得しています。
- 問い合わせと返品が減る。対応コストが下がります。
合計で見ると、有利になることが多い。ただし、事業によって違うので、測って判断してください。
比較しにくくする設計も、同じ系統
価格の透明性には、もう1つの側面があります。
プランの構成を複雑にして、比較できなくする。単位を変える、条件を細かくする、実質いくらかを分かりにくくする。
これも、短期的には効きます。ただ、比較して選べなかった人は、納得していません。継続率に響きます。
目安として、プランは3つまで。それ以上あると、選べずに離脱するか、選んでも納得が残りません。
表示のルールは、法令にも関わる
最後に。価格の表示には、法令上の要件があります。
景品表示法、特定商取引法など。「実質無料」「今だけ」といった表現も、根拠がなければ問題になり得ます。
この記事は法的な判断ではありません。実際の適法性は、法務や専門家にご確認ください。自社の状態は、ダークパターン診断で確認できます。