同意画面を白黒で印刷すると、誘導しているかが一目で分かる
「同意する」と「同意しない」が同じ大きさ・同じ手数か。ここが崩れていると、同意の有効性そのものが問われる可能性があります。
- こんな人に
- 同意画面やUIを設計する人
- 結論
- 基準は対称かどうか。大きさ・目立ち方・手数の3つで見る
- 読む時間
- 約3分
同意は1クリック。拒否は、設定画面を開いて、項目を1つずつオフにする。
よく見る形です。ただ、基準は単純で、対称かどうかだけです。
そして、この判断は専門知識がなくてもできます。
対称かどうかを、見る
確認する項目は3つです。
- 大きさ。「同意する」と「同意しない」のボタンが、同じ大きさか。
- 目立ち方。色、コントラスト、位置。片方だけ目立っていないか。
- 手数。同意が1クリックなら、拒否も1クリックで完了するか。
どれかが崩れていると、選択が誘導されています。そして、誘導された同意は、同意として弱い。
ここでいう弱さは、法的な意味だけではありません。あとから「同意した覚えがない」という問い合わせが増えます。運用の負担として返ってきます。
白黒で印刷してみる
簡単な点検方法があります。
同意画面を、白黒で印刷する。色の差がなくなった状態で、それでも対等に見えるかどうか。
色で差をつけている場合、白黒にすると一目で分かります。色に頼っていないかを確認するのが目的です。
あわせて、色覚特性のある人にどう見えるかも確認しておくと安全です。色だけで差をつけていると、そもそも区別がつきません。
「後で設定」という逃げ道
もう1つ、よくある形があります。
同意しないと先に進めない、あるいは「後で設定する」を選ぶと、実質的に同意したことになる。
これは、選択肢を示しているように見えて、実際には1つしかありません。断ったときに何が起きるかを、明示する必要があります。
そして、同意しないと使えない機能があるなら、その理由も書く。理由が書いてあると、納得して同意する人が増えます。
何に同意するのかが、その場で分かるか
対称性と並んで重要なのが、内容の分かりやすさです。
- 取得する情報の種類が、書いてあるか。
- 何に使うのかが、その場で読める長さで書いてあるか。
- 第三者に渡す場合、それが分かるか。
長い規約へのリンクだけ、という形では読まれない前提の設計になっています。要点は、その場に置く。
目安として、その場に置く説明は3行以内。それ以上必要なら、要点だけ出して詳細をリンクにする形にします。
同意を、あとから確認できるか
見落とされやすい点です。
利用者が、自分がいつ何に同意したかを、あとから確認できるか。そして、取り消せるか。
取り消しの導線が用意されていないと、同意は一方通行になります。設定画面から、いつでも変更できる形にしておくのが基本です。
法令の要件は、必ず確認する
最後に。同意の取り方は、個人情報保護法をはじめとする法令に関わります。
この記事は法的な判断ではありません。取得する情報の範囲、同意の要件、記録の保存。法務や専門家と一緒に確認してください。
まとめ
- 基準は対称かどうか。大きさ・目立ち方・手数の3つで見る
- 誘導された同意は、あとから問い合わせという形で運用に返ってくる
- 白黒で印刷して、色に頼っていないかを確認する
- 「後で設定」で実質同意になっていないか。断った場合を明示する
- その場の説明は3行以内。要点を置いて、詳細はリンクへ
- 同意の履歴を確認でき、いつでも取り消せる導線を用意する
自社の状態は、ダークパターン診断で確認できます。