狭くて深いことは弱点ではない。代えがきかなくなる強み
広く浅くのほうが安全に見えます。ただ、代えがきかない状態を作れるのは、深さのほうです。両方の話をします。
- こんな人に
- 1つの分野を深く追っている人
- 結論
- 深さは代えのきかなさになる。浅くせず、専門の外に月1つ接点を持つ
- 読む時間
- 約2分
1つのことを深く追い続ける。世の中では、あまり推奨されません。
広く浅く、いろいろできるほうが安全だと言われます。それも一理あります。
ただ、広さと深さは、得られるものが違います。同じ物差しで比べると、判断を誤ります。
深さの効き目
ただ、深さにしかできないことがあります。
- 代えがきかなくなる。できる人が少なければ、価格の交渉が要りません。
- 指名で来る。「この件なら、あの人に」と言われる状態は、営業が要らない。
- 判断が速い。経験が蓄積されているので、見た瞬間に分かります。
- 他の分野に応用が効く。深く掘った経験は、別の領域でも使えます。
とくに4つ目は見落とされがちです。1つを深く掘った人は、次に何かを学ぶときの掘り方を知っています。これは、分野が変わっても残ります。
リスクも、はっきりしている
一方で、代償もあります。
その分野の需要が消えると、行き場がなくなります。そして、需要の変化は、内側にいると見えにくい。
もう1つ、視野が狭くなる。自分の分野の常識を、世の中の常識だと思ってしまうことがあります。
そして、需要が消えるときは、急に消えるわけではありません。少しずつ減るので、内側にいると変化として認識できません。
深さは維持したまま、接点を増やす
対処は、浅くすることではありません。
専門の外に、月に1つだけ接点を持つ。別分野の人と話す、関係のない本を読む、違う業界の話を聞く。
これだけで、需要の変化に気づけます。そして、応用先も見つかります。
接点の作り方は、この3つで足ります。
- 別分野の人と、月に1人話す。仕事の話でなくていい。
- 自分の分野の外の記事を、月に1本読む。
- 自分の技術が使われている別の業界を、1つ調べる。
深さと市場の距離を、測る
もう1つの確認を。
自分の技術を、専門外の人に3分で説明してみる。
ここで詰まるなら、市場との距離が開いています。技術の問題ではなく、翻訳の問題です。
説明するときは、専門用語を1つも使わない縛りにすると練習になります。使えないと、何が本質かを考えざるをえません。
深いから、教えられる
見落とされがちな効果を1つ。
深く分かっている人は、要点を絞れます。浅い理解では、何が重要か分からないので、全部を教えることになる。
だから、深さは教える力にもつながります。ただし、言葉にする練習が要ります。
時間をかけたものは、追いつかれにくい
最後に。
深さは、時間でしか作れません。だから、簡単に追いつかれません。これは、はっきりした強みです。
まとめ
- 広さと深さは得られるものが違う。同じ物差しで比べない
- 深く掘った経験は、次に何かを学ぶときの掘り方として残る
- 需要は少しずつ減るので、内側にいると変化に気づけない
- 浅くするのではなく、専門の外に月1つ接点を持つ
- 専門用語を使わずに3分で説明できるか、で市場との距離を測る
- 深さは時間でしか作れない。だから追いつかれにくい
守るべきは深さのほう。増やすのは、接点のほうです。自分の型は、職人肌診断で確認できます。