上と外から部下を守る。盾になる上司がやっていること
守られた記憶は、どんな激励より長く残ります。無理な要求をどこで止めるか、失敗が起きたときに誰の名前を先に出すか。そして、全部を引き受けて潰れないための線引きです。
- こんな人に
- 部下を守りたい立場の人
- 結論
- 外に対しては自分が引き受け、中で必要なことを伝える。順番は外が先
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- 約2分
部下が上司を評価するとき、いちばん覚えているのは指導の内容ではありません。困ったときに、どちら側に立ったかです。
守られた記憶は、激励より長く残ります。そして、守られなかった記憶はもっと長く残ります。
問題が起きたとき、最初に出す名前
いちばん分かりやすい分岐点がここです。外部や上から指摘が来たとき、最初に何と言うか。
- 「担当は自分です」と受ける。中でどう処理するかは、そのあとの話です。
- 「担当の○○が」と名前を出す。事実としては正しいのですが、ここで関係が終わります。
一度でも後者をやると、次から情報は上がってきません。報告すれば自分が矢面に立たされる、と学習されるからです。
無理な要求を、どこで止めるか
上や他部署から来る要求を、そのまま流してしまう上司がいます。本人は中立のつもりですが、現場からは伝書鳩に見えます。
止めるべきなのは、次のようなものです。
- 期限が物理的に不可能なもの。受けてから謝るより、受ける前に交渉するほうが早い。
- 前提が変わっているのに、そのまま来た依頼。確認せずに流すと、現場が二度手間になります。
- 誰の仕事か決まっていないもの。決めてから渡す。ここを曖昧にすると、断れない人に溜まります。
すべてを止める必要はありません。止めた1件を、部下は覚えています。
守っていることを、言わない
ひとつだけ、やらないほうがいいことがあります。守ったことを本人に伝えることです。
「上に掛け合っておいたから」と言った瞬間に、それは貸しになります。守られた安心が、負い目に変わってしまう。
不思議なもので、言わなくても伝わります。あとから別の経路で知ることのほうが、ずっと効きます。
全部を引き受けない
一方で、この型の人がいちばん陥りやすいのが、抱え込んで潰れることです。あなたが倒れると、チームごと無防備になります。
線を引く場所を決めておきます。
- 引き受ける。結果の責任、外部への説明、上との交渉。
- 引き受けない。作業そのもの、判断の代行、部下同士の関係の調整。
責任は引き受けても、作業まで引き取るとマイクロマネジメントに近づきます。守ることと、代わりにやることは別です。
守るためには、上と話せる関係が要る
実務的な話をすると、盾になれるかどうかは、上との関係で決まります。
普段から状況を共有し、悪い数字も先に出しておく。信用の残高があるから、いざというときに交渉ができます。何も話していない相手に、突然の要求だけ断るのは通りません。
つまり、守る力の半分は、上に対する報告の質でできています。部下に求めていることを、自分も上に対してやる、ということです。
守ったうえで、方向を示す
最後にひとつ。盾になる型の弱点は、期待を言葉にする側が薄くなりやすいことです。
守られてはいるが、何を求められているか分からない。この状態は、意外と居心地が悪い。盾になることと、方向を示すことは両立します。守ったうえで、基準を渡してください。
自分の現在地は、良い上司診断の「盾になる力」で確認できます。