えこひいきしていないつもりでも。公平な上司の条件は、説明できること
好き嫌いで判断していないつもりでも、重要な仕事の頼み先は偏ります。見ている側は正確に気づきます。公平とは同じ扱いをすることではなく、同じ基準で扱うこと。その差についての話です。
- こんな人に
- 公平でありたい上司
- 結論
- 公平とは同じ扱いをすることではなく、違う扱いの理由を説明できること
- 読む時間
- 約3分
自分はえこひいきをしていない。ほとんどの上司がそう思っています。そして、ほとんどの部下は違う印象を持っています。
この差は、意図の問題ではありません。公平にしているつもりでも、説明していなければ伝わらないというだけのことです。
偏りは、頼み先に出る
いちばん現れやすいのが、重要な仕事を誰に頼むかです。
急ぎのとき、確実にやってくれる人に頼む。話が早い相手を選ぶ。どれも合理的な判断ですが、続けると特定の人にだけ経験が集まります。
数えてみると、はっきりします。この3か月、重要な仕事を誰に何回頼んだか。感覚と実際の回数は、たいていずれています。
公平とは、同じ扱いをすることではない
ここを取り違えると、別の問題が起きます。
全員に同じ時間を配り、同じ量の仕事を渡す。一見公平ですが、必要としている量は人によって違います。公平とは、同じ基準で扱うことであって、同じ配分にすることではありません。
- 基準は同じにする。同じ失敗なら、誰であっても同じ扱いをする。
- 配分は変えていい。いま伸ばしたい人、困っている人に多く時間を使うのは、不公平ではありません。
配分を変えるときは、理由が説明できる形にしておく。それだけで、えこひいきには見えなくなります。
評価の理由を、本人に言えるか
公平さを確かめるいちばん簡単な方法は、これです。その評価の理由を、本人に説明できるか。
説明できないなら、根拠が印象で組み立てられている可能性があります。逆に、説明できるなら、たとえ厳しい評価でも受け取ってもらえます。
注意したいのは、説明が「がんばっている」「積極的だ」といった言葉で埋まっている場合です。これらは行動ではなく印象なので、見えやすい人が有利になります。声が大きい人が高く評価される仕組みは、たいていここから生まれます。
見えにくい仕事を、拾う
公平さの話で、いちばん抜けやすい部分です。
- 後輩の質問に答える時間。成果には出ませんが、チームの速度を上げています。
- 面倒な調整を引き受ける人。やらないと止まる仕事です。
- 事故を未然に防いだ判断。防いだものは数えられません。
これらは、意識して見に行かないと評価に入りません。数字に出ないものを見ている上司は、それだけで公平だと受け取られます。
話しやすさが、情報の偏りをつくる
もうひとつ、構造的な問題があります。話しやすい相手からは情報がよく入り、そうでない相手のことは分からない。
結果として、よく話す人ほど正確に評価され、話さない人ほど印象で評価されることになります。これは本人の努力では埋まりません。
対策は単純で、話す時間を意識的に配ることです。週に5分でも、全員と定期的に話す枠を作る。情報が均されるだけで、評価の偏りはかなり減ります。
公平さは、守る力とセットで効く
最後に。公平な上司は信頼されますが、それだけでは足りない場面があります。
外から理不尽な要求が来たとき、公平に扱うだけでは部下は守れません。基準を守る人ほど、いざというときに前に出ることを期待されています。
自分の現在地は、良い上司診断の「公平さ」で確認できます。あわせて「盾になる力」も見てみてください。