先延ばしは怠けではない。ちゃんとやりたいから始められない
うまくできないと分かっていると着手できない。これは質への責任感であって、意志の弱さではありません。質を求めない場所を作る方法です。
- こんな人に
- やるべきことに着手できない人
- 結論
- 怠けではなく質への責任感。「下書き」と名前をつけて始める
- 読む時間
- 約3分
やることは分かっている。期限も迫っている。それでも手がつかない。
これを意志の弱さだと考えている人は多い。実際には、逆のことが起きていることがあります。
そして、意志の弱さだと思っているあいだは、対処が見つかりません。
ちゃんとやれないなら、始めない
先延ばしの多くは、質への責任感から来ています。
中途半端なものを作りたくない。時間が足りない状態で始めると、雑になる。だったら、まとまった時間が取れるまで待とう。この判断は、真面目な人ほど働きます。
そして、まとまった時間は永久に来ません。
さらに、先延ばしにするほど質のハードルが上がります。これだけ時間をかけたのだから、それなりのものを出さなければ。着手が、どんどん重くなります。
「下書き」と名前をつける
いちばん効く対処が、これです。「下書き」と名前をつけて始める。
ファイル名でも、心の中でも構いません。あとで捨てていい、と先に決めておく。質を求めない場所ができると、手が動きます。
不思議なもので、下書きとして書いたものが、そのまま使えることもよくあります。止めていたのは質そのものではなく、質を求める気持ちのほうだからです。
同じ理屈で、紙に手書きする、別のアプリを使うのも効きます。本番の場所でないと分かると、基準が下がります。
15分だけ、と決める
もうひとつの手が、時間で区切ることです。
「最初の15分だけやる」。続けるかどうかは、15分後に決めればいい。
実際には、始めてしまうと続くことが多い。いちばん重いのは、着手の瞬間だけだからです。
15分でやめても構いません。やめても、次の着手が軽くなります。一度触ったものは、二度目のハードルが下がります。
分解が足りているか
着手できない仕事は、たいてい単位が大きすぎます。
- 「資料を作る」→ 着手できない。
- 「見出しだけ書く」→ 着手できる。
- 「去年の資料を開く」→ 確実に着手できる。
1時間で終わる単位まで割る。割れないなら、内容がまだはっきりしていない可能性があります。
いちばん小さくすると、「ファイルを開く」まで下がります。ここまで割れば、意志はほとんど要りません。
完璧主義の人に「やればいい」は効かない
周りの人へ、一言。
着手できない人に「とりあえずやってみれば」と言っても、たいてい動きません。止まっている理由が、意欲ではないからです。
効くのは、質のハードルを下げる声かけです。「粗くていいから見せて」「途中でいいから共有して」。質を求めないと明示すると、動けることがあります。
始められる人になる必要はない
最後に。この性質は、直すというより扱う対象です。
基準が高いこと自体は強みで、品質はこの性質を持つ人が支えています。変えるのは基準ではなく、着手の手順だけです。
まとめ
- 先延ばしの多くは怠けではなく、質への責任感から来ている
- 意志の弱さだと思っているあいだは、対処が見つからない
- 先延ばすほど質のハードルが上がり、着手がさらに重くなる
- 「下書き」と名前をつける。紙や別のアプリを使うのも効く
- 15分だけやる。やめても、次の着手が軽くなる
- 「ファイルを開く」まで割れば、意志はほとんど要らない
自分の詰まり方は、心のブロック(完璧主義)診断で確認できます。