考えているのではなく、同じ場面を再生している
内側を見ることと、回り続けることは別です。前者は情報が増え、後者は同じ材料を再生しているだけ。頭の外に出すという、単純で効く方法です。
- こんな人に
- 夜に同じことを何度も思い返す人
- 結論
- 内省と反すうは別。3周したら紙に書いて、頭の外に出す
- 読む時間
- 約3分
終わったことを、夜になって思い返す。答えが出ないまま、同じところを何周もする。
この状態を「考えすぎ」と呼ぶことが多いのですが、実際には考えていません。
そして、この区別を知らないと、止める理由が見つかりません。
内省と、反すうは別のもの
- 内省。何が起きたか、次にどうするか。情報が増え、判断が進みます。時間を決めて1回やれば足ります。
- 反すう。同じ場面を、同じ感情で再生する。材料は増えず、判断も進みません。何周しても同じです。
厄介なのは、反すうしているあいだは、考えているように感じることです。苦しいので、何かをやっている気になる。
そのうえ、回すほど記憶が強くなります。思い出すたびに、その場面が定着していきます。
見分ける目印
3つあります。
- 新しい情報が出てくるか。出てこないなら、再生です。
- 次の行動が決まるか。決まらないまま終わるなら、再生です。
- 同じ場面を、何度も再生しているか。言われた言葉、自分の失敗、相手の表情。
当てはまるなら、そこで止めていい。続けても、得るものがありません。
いちばん分かりやすいのは、3周目です。同じ場面を3回再生していたら、それ以上は情報が出てきません。
頭の外に出すと、止まる
止め方は、意志ではありません。紙に書くことです。
理由は単純で、書いた時点で、覚えておく必要がなくなるからです。頭が「保持しなければ」と思っているあいだは、回り続けます。
内容は整えなくて構いません。思い浮かんだことを、順不同で書き出すだけ。3周したら書くと決めておくと、実行しやすい。
書いたものは、読み返さなくて構いません。出すこと自体が目的です。
時間を区切る
もう1つ、実用的な方法があります。
考える時間を決める。「20分だけ」と区切って、そのあいだは思い切り考える。時間が来たら終わる。
不思議なもので、終わりが決まっていると、集中して考えられます。そして、終われます。無制限だと、いつまでも続きます。
体を動かすと、向きが変わる
頭で止めようとしても止まらないときは、体からいきます。
散歩、片づけ、皿洗い。単純な動作を伴うものが効きます。意識が体と外に向くので、内側から出やすくなる。
「気晴らし」というより、意識の向きを物理的に変える方法だと考えると、使いやすくなります。
とくに、手順が決まっていて、少しだけ注意が要るものが効きます。皿洗い、片づけ、簡単な料理。何も考えずにできる作業だと、頭は回り続けます。
夜は、判断に向かない
最後に、時間帯の話を。
反すうは、夜に強くなります。疲れていて、外からの情報が少なく、比較する材料も少ないからです。
夜に出た結論は、朝にもう一度見る。それだけ決めておくと、夜の判断に振り回されずに済みます。多くの場合、朝には別の見え方をします。
まとめ
- 内省は情報が増え、反すうは同じ材料を再生しているだけ
- 回すほど、その場面の記憶は強くなる
- 新しい情報が出るか、次の行動が決まるかで見分ける。3周目が目安
- 紙に書くと、覚えておく必要がなくなって止まる。読み返さなくていい
- 考える時間を20分に区切ると、集中でき、そして終われる
- 体を動かすなら、少しだけ注意が要る作業を選ぶ
自分の傾向は、外向き意識・内向き意識診断で確認できます。