実績には賞味期限がある。その根拠は、いつのものか
根拠は説明できる。ただ、更新していない。立場が上がるほど悪い情報は届かなくなり、根拠が過去のものになります。
- こんな人に
- 経験と実績がある人
- 結論
- 実力の根拠が何年前のものかを確認する。賞味期限は分野で違う
- 読む時間
- 約3分
経験はある。実績もある。自分の実力を、根拠をもって説明できる。
ここまでは、確かな状態です。ただ、確認しておきたいことが1つあります。
これは、実力を疑う話ではありません。実力の根拠が、いつのものかという話です。
その根拠は、いつのものか
実力の根拠として挙げているものが、何年前のものか。
5年前の実績は、5年前の実力を示しています。いまの実力を保証するものではありません。
そして、分野によっては、5年で前提がまるごと変わります。
賞味期限は、分野によって長さが違います。目安として。
- 道具や技術の知識。数年で入れ替わることがあります。いちばん短い。
- 制度やルールの知識。改正のたびに更新が要ります。
- 業界の相場観。価格、待遇、力関係。数年でずれます。
- 人との向き合い方。ここは長持ちします。積み上がる部分です。
全部が古びるわけではありません。どこが短くて、どこが長いかを分けておくと、更新すべき場所が決まります。
立場が上がるほど、届かなくなる
更新が止まる理由は、はっきりしています。
立場が上になるほど、悪い情報が届かなくなります。指摘するコストが上がるからです。
そして、周りは気を遣って言いません。本人だけが、状況を知らない状態になります。
ここで効くのは、悪意ではなくコストの計算です。指摘して得られるものが少なく、失うものが大きい。だから、誰も言いません。合理的な判断の結果です。
自分から取りにいく
対処は、1つだけです。
年に一度、「改善するとしたらどこか」を自分から聞く。
待っていても届きません。聞かれれば、たいていの人は答えます。そして、1回聞くだけで、かなり分かります。
聞き方には、少しコツがあります。
- 「何か問題ありますか」と聞かない。「ありません」で終わります。
- 範囲を絞る。「私の説明で、分かりにくいところはどこですか」。答えやすくなります。
- 答えに反論しない。1回反論すると、次からは出てきません。
- 立場が下の人にも聞く。いちばん見えていて、いちばん言えない位置にいます。
若い人、詳しい人の話を聞く
もう1つ、効く習慣があります。
自分より若い人、自分より詳しい人の話を聞く場を作る。
教える側に回り続けると、情報が入りません。聞く側に戻る時間を、意識して作ってください。
これは、謙遜の話ではありません。教える側に回ると、情報が入ってこなくなるという構造の話です。役割を変えないと、入り口が閉じたままになります。
難しさが見える感覚を、取り戻す
最後に、いちばん重要な指標を。
最近、難しいと感じたことがあるか。
ないなら、新しいことに触れていない可能性があります。慣れた範囲だけで動いていると、難しさは出てきません。
新しい領域に1つ手を出すと、この感覚が戻ります。そして、感覚が戻ると、校正もやり直せます。
まとめ
- 実力の根拠が何年前のものかを、一度確認する
- 賞味期限は分野で違う。道具の知識は短く、人との向き合い方は長い
- 立場が上がるほど、悪い情報は届かなくなる
- 年に一度、「改善するとしたらどこか」を自分から聞く
- 最近「難しい」と感じたことがないなら、新しい領域に1つ触れてみる
自分の状態は、ダニング=クルーガー診断で確認できます。