職場で線を引く。仕事量ではなく、範囲を交渉する
「量を減らしてほしい」は通りにくく、「範囲を決めたい」は通りやすい。仕事を減らさずに負荷を下げる交渉の仕方をまとめました。
- こんな人に
- 仕事量に押しつぶされそうな人
- 結論
- 「量を減らして」は通りにくい。範囲を交渉する
- 読む時間
- 約2分
職場で負荷が高いとき、「仕事を減らしてほしい」と言うのは難しい。相手にとっては、誰かに回すか、諦めるかの選択になるからです。
ところが、範囲を決める交渉は通りやすい。同じ効果があるのに、受け取られ方がまったく違います。
量ではなく、範囲を話す
- ×「仕事が多すぎます」 → 相手は対応できません。誰かに回す当てもない。
- ◯「この案件はどこまでを私の担当にしますか」 → 具体的な決めごとになります。
- ◯「AとBなら、どちらを優先しますか」 → 判断を相手に渡しています。
- ◯「この条件なら、期日に間に合います」 → 条件の提示です。
量の話は感覚の話に、範囲の話は仕事の話になります。後者のほうが、相手も答えやすい。
優先順位は、相手に決めてもらう
全部やるのが無理なとき、自分で優先順位を決めると、決めた責任も自分に来ます。
そうではなく、優先順位を上司に決めてもらう。「AとBがあります。どちらを先にしますか」。
これは責任逃れではありません。優先順位を決めるのは、本来その立場の人の仕事です。そして決めてもらえば、遅れたときも条件の話として扱えます。
引き受けるときに、記録を残す
口頭で合意したことは、しばしば覚えられていません。悪意ではなく、単に忘れます。
引き受けたら、その日のうちに一文で残す。「本日ご相談の件、◯日提出/範囲はAのみ、で進めます」。
相手を疑う行為ではなく、あとで責任の置き場所が曖昧になるのを防ぐ作業です。書いてあると、揉めません。
「巻き取り」を、常態にしない
手が空いている人が引き取る、という文化は良い面もあります。ただ、できる人に集中するという性質があります。
一度引き取ると、次から同じ流れになります。そして、それが担当として固定される。
引き取るなら、今回限りだと明示する。「今回は引き取りますが、次回からは元の担当でお願いします」。
断りにくいのが構造なら、体制の話にする
個人の言い方では解決しない場合もあります。
人員が足りない、断ると評価が下がる、そもそも業務量が想定を超えている。これは構造の問題で、言い方では埋まりません。
この場合、感情ではなく事実を積み上げる。かかった時間、断れなかった件数、残業の推移。数字で示すと、体制の話として扱ってもらえる可能性が上がります。
改善の見込みが立たないとき
記録も交渉もしたうえで、状況が変わらないこともあります。
その場合、我慢の量で解決する問題ではありません。異動、働き方の変更、転職。環境を変えることも選択肢に入れてよい。
体調に影響が出ているなら、そこが優先です。産業医や労働局の総合労働相談コーナーなど、相談できる窓口もあります。
まとめ
- 量の話は通りにくく、範囲の話は通りやすい
- 優先順位は、本来その立場の人が決めること
- 引き受けたら、その日のうちに一文で記録する
- 引き取るときは「今回限り」と明示する
- 構造の問題なら、事実を数字で積み上げて体制の話にする
- 見込みが立たないときは、環境を変えることも選択肢