介護が始まる前に、決めておくと楽になる5つのこと
介護は、ある日突然始まることがあります。そのとき困るのは体力よりも、決めていなかったことの多さです。窓口・お金・情報・限界・相談先という5つを、元気なうちに整理しておく話です。
- こんな人に
- 親の介護がまだ始まっていない人
- 結論
- 困るのは体力より、決めていなかったこと。5つを先に決めておく
- 読む時間
- 約3分
介護は、少しずつ始まることもあれば、入院や骨折をきっかけにある日突然始まることもあります。そして始まってからいちばん困るのは、体力ではなく、決めていなかったことの多さです。
以下は制度の解説ではなく、家族の側で先に整理しておけることの話です。実際の手続きや利用できるサービスは、お住まいの自治体の窓口や地域包括支援センターでご確認ください。
① 誰が窓口になるか
病院、自治体、施設。どこも「代表の方はどなたですか」と聞いてきます。ここが決まっていないと、そのたびに家族内の調整が発生します。
窓口は一人。ただし抱え込ませないのが条件です。やり取りの記録を共有し、決めごとは複数人で確認する。窓口役が倒れると、全部が止まります。
② お金の出どころ
介護にかかる費用を、誰のお金で払うのか。ここを曖昧にしたまま始めると、後から必ず揉めます。
原則として本人の資産から、というのが自然な出発点ですが、そのためにはどこに何があるかが分かっている必要があります。本人が判断できるうちに、口座・年金・保険の在りかを共有しておいてください。
子ども世代が負担する場合も、金額と期間の目安を先に話しておくほうがよい。善意で始めた負担ほど、期限がないと消耗します。
③ 情報の置き場所
飲んでいる薬、通っている病院、アレルギー、既往歴。これらは救急の場面で必ず聞かれます。
紙1枚にまとめて、本人の家の分かりやすい場所と、家族全員の手元に置いておく。探さないで済むことが、緊急時にはそのまま時間になります。
④ 自分たちの限界
いちばん後回しにされ、いちばん重要なのがこれです。
仕事を辞めるのか、辞めないのか。同居するのか、しないのか。どこまでを家族でやり、どこからを外部に頼むのか。
「できるところまでやる」は方針に見えて、実際には限界を決めないという決定です。そして限界を決めていない介護は、たいてい介護する側が先に倒れます。
仕事を辞める判断は、特に慎重に。収入が途切れると、選べる選択肢そのものが減ります。介護の期間は事前には分かりません。
⑤ 相談先を、先に知っておく
始まってから調べるのでは遅い、というのがこの領域の実感です。
お住まいの地域包括支援センターの場所と連絡先を、いま調べて控えておいてください。まだ何も起きていない段階でも、相談できます。制度は申請しないと始まらないものが多く、知っているかどうかで受けられる支援が変わります。
勤め先の介護休業・介護休暇の規程も、一度確認しておく価値があります。使わなくても、あると分かっているだけで判断が変わります。
介護する人にも、支援がいる
最後に、いちばん忘れられがちなことを書いておきます。
介護をしている人自身が、消耗します。眠れない、気分が落ち込む、誰にも言えない。これは本人の弱さではなく、状況の重さです。
同じ立場の人が集まる場や、自治体の相談窓口があります。心身の不調が続く場合は、我慢せず医療機関にご相談ください。支援を使うことは、手を抜くことではありません。
まとめ
- 窓口は一人に決め、記録を共有して抱え込ませない
- お金の出どころを先に決める。本人の資産の在りかを共有しておく
- 薬・病院・既往歴を紙1枚にまとめ、全員が持っておく
- 「できるところまで」は、限界を決めないという決定になる
- 地域包括支援センターの連絡先を、いま控えておく
- 勤め先の介護休業の規程を、使う前に確認しておく
- 介護する側の消耗も支援の対象。不調が続くときは医療機関へ