起業前に、いくら貯めておくべきか。生活費と事業費は分けて考える
余力が薄い状態で始めると、いちばん条件の悪い仕事を受けざるを得なくなります。金額の目安と、その現金が実際に何を買っているのかを整理しました。
- こんな人に
- 起業前の資金計画を立てている人
- 結論
- 生活費と事業費は分ける。余力の薄さが、受ける仕事の質を決める
- 読む時間
- 約2分
起業前に貯めるべき金額の話は、事業資金として語られがちです。けれど実際に効いてくるのは、生活費のほうの余力です。
その現金が買っているのは、判断の自由
余力が薄い状態で始めると、何が起きるか。
来月の生活費が心配なので、条件の悪い仕事も受ける。安く受ける。無理な納期も飲む。いちばん条件の悪い仕事から、順番に入ってきます。
そして、安く受けた実績は後から値上げしにくい。最初の価格が、その後の相場を作るからです。
つまり、現金は事業のためというより断る力を買うためにあります。
目安は、生活費の6〜12か月分
金額ではなく、月数で考えるのが実用的です。
- 会社員の副業から始める場合。3か月分でも動けます。基盤が残っているため。
- 単身で、顧客の当てがある場合。6か月分。
- 家族がいる、または顧客がこれからの場合。12か月分。
ここでいう生活費は、収入が止まっても払い続けなければならないものだけです。住居費、水道光熱費、通信費、食費、保険料、税金、教育費。旅行や趣味は含めなくて構いません。
事業用と生活用を、最初から分ける
口座を分けるだけで、判断の質が変わります。
混ざっていると、事業がうまくいっているのかどうかが分かりません。売上が入ってきているのに現金が減っている状態にも気づけない。
開業の前に、事業用の口座を1つ用意する。これは手続きとしても後から楽になります。
入金までのずれを、計算に入れる
見落とされやすいのが、支払いサイトです。
納品してから入金まで、1〜2か月かかることは普通にあります。つまり、最初の売上が現金になるのは、始めてから3か月後ということが起こります。
この期間も、生活費は出ていきます。月数の目安を計算するときは、この空白を必ず入れてください。
固定費を先に下げる
貯める作業と並行して、支出を下げるのが効きます。
通信、保険、サブスク、車。固定費を月3万円下げれば、必要な貯蓄額が数十万円変わります。しかも独立後もその効果が続く。
増やす工夫より確実で、再現性があります。
制度の確認は、一次情報で
開業届、青色申告の申請、国民健康保険と任意継続の比較、年金の切り替え。どれも期限があり、しかも金額に直接影響します。
制度は年によって変わります。解説記事ではなく、国税庁・日本年金機構・お住まいの自治体の案内で最新の内容を確認してください。判断に迷う場合は、税理士など有資格の専門家にご相談ください。
まとめ
- 現金は事業のためではなく、断る力を買うためにある
- 余力がないと、いちばん条件の悪い仕事から入ってくる
- 目安は生活費の6〜12か月分。副業からなら3か月分でも動ける
- 生活費は「止まっても払い続けるもの」だけを数える
- 入金までのずれ(1〜2か月)を必ず計算に入れる
- 固定費を先に下げると、必要な貯蓄額そのものが変わる