「どうしますか」をやめる。案を1つ添えるだけで変わること
同じ質問でも、聞き方を変えるだけで上司の負担は半分になります。そして、案を出した仕事は自分の仕事になります。指示待ちから抜けるための、いちばん小さな一歩です。
- こんな人に
- 「どうしますか」と聞いてしまう人
- 結論
- 案を1つ添えるだけで、相手の仕事が「考える」から「決める」に変わる
- 読む時間
- 約3分
判断に迷ったとき、「どうしますか」と聞く。自然な質問ですが、受け取る側の負担はかなり大きい。
上司は、考えるところから始めることになります。状況を把握し、選択肢を並べ、決める。この3つを全部やらせている状態です。
そして、回数が重なると、聞かれる側の負担は積み上がります。
「こう進めようと思いますが」に変える
言い方をひとつ変えるだけで、相手がやることが「決める」だけになります。
案が間違っていても構いません。叩き台があると、議論が「何をするか」から「これでいいか」に移ります。この移動が、話を一気に短くします。
実際、上司からすると、案が違っていても直すほうが簡単です。ゼロから考えるより、はるかに速い。
そのうえ、案があると状況も伝わります。どこまで把握しているかが、案を見れば分かる。説明の手間も減ります。
案は、2つ以内で
案を用意するとき、選択肢を並べすぎないほうがいい。
- 1つ。いちばん速い。「これで進めます、まずければ言ってください」の形が理想です。
- 2つ。判断が割れそうなときに使います。それぞれの利点を1行ずつ添える。
- 3つ以上。相手に選ばせる作業が増えます。整理できていない印象にもなります。
そして、2つ出すときも自分の推しを明記する。「A案を推します。理由は納期です」。中立に並べると、結局考えるのは相手です。
理由は、1つで足ります。3つ並べると、どれが本当の理由か分からなくなります。
案を出せないときは、材料を渡す
まったく判断がつかない場面もあります。そのときは、無理に案を作らなくて構いません。
かわりに、整理した材料を渡します。「Aだと納期に間に合いますが費用が増えます。Bは逆です。ここが判断の分かれ目だと思います」。
案がなくても、論点を特定しているだけで負担は大きく減ります。
そして、調べたことも書く。「ここまでは確認しました」。同じ確認を相手にさせずに済みます。
案を出すと、自分の仕事になる
もうひとつ、効き目があります。
指示された仕事より、自分で決めた仕事のほうが早く終わります。理由を納得しているからです。案を出す側にいると、決まったことが自分の仕事になります。
そして、案を出し続けていると、そのうち聞かれなくなります。「任せる」に変わる。裁量は、そうやって増えていきます。
「決めていい範囲」を、先に聞いておく
そもそも、確認が要らない場面も多い。ここを整理しておくと、質問の回数自体が減ります。
一度だけ、こう聞いてください。「どこまで自分で判断していいですか」。金額でも、影響範囲でも、期間でもいい。線が決まると、以後は迷いません。
指示待ちに見える人の多くは、能力ではなく、この線を知らないだけです。聞けば解決します。
聞くのは、関係が始まったばかりの時期がいちばん自然です。何年も経ってから聞くと、いまさら感が出ます。
外したときのために
案を出すようになると、当然、外すこともあります。
そのときは、早めに報告して直せば済みます。案を出して外すことのコストは、想像よりずっと小さい。むしろ、何も出さずに止まっている時間のほうが高くつきます。
自分の現在地は、良い部下診断の「自分で進める力」で確認できます。