売れているのにお金が残らない。売価と原価の間に挟まるもの
決済手数料、送料、梱包材、返品対応。売価と原価のあいだには、思ったより多くのものが挟まっています。1商品あたりの利益を計算する手順をまとめました。
- こんな人に
- ネットショップを運営している人
- 結論
- 手数料・送料・梱包材・返品が挟まる。主力1商品で一度だけ計算する
- 読む時間
- 約3分
ネットショップで多い相談が、これです。「売れてはいるのに、お金が残らない」。原因ははっきりしていて、売価と原価のあいだに挟まるものが多いからです。
そして、売れるほど赤字が増えるという状態もあり得ます。
間に挟まっているもの
- 決済手数料。売上の数%。カード、コード決済、後払いで率が違います。
- 販売手数料・出店料。モールを使う場合。カテゴリによって率が変わります。
- 送料。送料無料にすると、こちらの負担です。サイズと地域で変わります。
- 梱包材。箱、緩衝材、テープ、伝票。1件あたり数十〜数百円。
- 返品と不良の対応。往復の送料と、商品の損失。
- 広告費。使っているなら、売上に対する比率で見る。
- 自分の作業時間。金額には出ませんが、確実にコストです。
これらを全部引くと、粗利のつもりだった金額がかなり減ります。
そして、売上が増えても比率で増える費目が多い。手数料も送料も梱包材も、件数に比例します。規模で解決しません。
1商品で、一度だけ計算する
全商品でやる必要はありません。主力の1つで、一度だけ丁寧に計算してみてください。
売価 −(仕入 + 決済手数料 + 販売手数料 + 送料 + 梱包材)= 手残り
この数字を出すと、値付けの見え方が変わります。多くの人が「思ったより残らない」と言います。
計算は、いちばん条件の悪い注文で行う。遠方、小口、返品あり。ここで残るなら、平均では残ります。
送料無料の扱い
いちばん効くのがここです。送料は金額が大きく、しかも地域によって変わります。
送料無料にすると売れやすくなりますが、遠方の注文ほど利益が減ります。極端な場合、赤字の注文が発生します。
対策は、送料を価格に織り込むか、一定額以上で無料にするか。どちらにしても、いちばん遠い地域で計算しておくのが安全です。
作業時間も、時給で見る
1件あたりの作業時間を測ってみてください。梱包、伝票、発送、問い合わせ対応。
1件15分で手残りが300円なら、時給1200円です。この数字を知ったうえで続けるかどうかを決めるのと、知らないまま続けるのはまったく違います。
測るときは、問い合わせ対応も含める。1件の質問に10分かかることもあり、ここが見落とされがちです。
時給が低いなら、単価を上げるか、作業を減らすか、外注するか。選択肢は3つです。
値上げは、思ったより通る
利益が残らないとき、多くの人は作業の効率化を考えます。ただ、効果は限られます。
10%の値上げは、10%のコスト削減よりずっと大きい。しかも実行が簡単です。
既存の顧客が離れることを心配しがちですが、値段だけで選ばれていないなら、影響は限定的です。まず一部の商品で試してみる価値はあります。
そして、値上げと同時に何かを足すと受け入れられやすい。梱包を丁寧にする、説明を充実させる。理由があると、納得されます。
まとめ
- 売価と原価のあいだに、手数料・送料・梱包材・返品対応が挟まる
- 主力の1商品で、一度だけ丁寧に計算する
- 送料無料は、いちばん遠い地域で計算しておく
- 1件あたりの作業時間を測って、時給で見る
- 効率化より、値上げのほうが効果が大きく実行も簡単
- まず一部の商品で試す