在庫は、売れるまで現金ではない。数字が合っても資金が尽きる
仕入れは先に払い、入金は後から来ます。このずれが資金繰りを圧迫します。売れているのに現金がない状態を避けるための、在庫の持ち方をまとめました。
- こんな人に
- 在庫を持つ商売をしている人
- 結論
- 仕入れは先払い、入金は後。売れていても現金は尽きる
- 読む時間
- 約2分
「売れているのに、お金がない」。ネットショップでよく起きる状態です。原因は利益率だけではなく、お金が出ていく順番にあります。
払うのが先、入るのが後
仕入れは、売れる前に払います。入金は、売れたあと1〜2か月してから来ます。
つまり、売上が伸びるほど仕入れの額が先に増える。成長しているのに現金が減る、という状況はここから生まれます。
これは経営の失敗ではなく、構造です。分かっていれば対処できます。
在庫は、数えても現金にはならない
帳簿上、在庫は資産として計上されます。だから数字の上では減っていません。
ところが、売れなければ現金にならない。しかも、時間が経つほど価値が下がる商材もあります。季節もの、流行もの、消費期限のあるもの。
在庫を見るときは、金額ではなく「何か月で売り切れる量か」で見るほうが実態に近い。
目利きがある人ほど、仕入れすぎる
皮肉な話ですが、商品を見る目がある人ほど、この失敗をします。
良いものが分かるので、売れる見込みが立つ。だから多めに仕入れる。そして、良いものでも売れないことがある。
見込みは、当たることもあれば外れることもあります。外れたときに耐えられる量かどうかで、仕入れの上限を決めてください。
在庫を持たない形から始める
- 受注生産。注文が入ってから作る。納期は延びますが、在庫はゼロ。
- 予約販売。先に注文と入金を受けてから仕入れる。資金繰りが逆転します。
- 小ロット。単価は上がりますが、外れたときの損失が小さい。
- 取り寄せ。仕入先が対応してくれる場合。
売れると分かってから増やせば、リスクはほとんどありません。
仕入れの上限を、月ごとに決める
実務的にいちばん効くのがこれです。
「今月の仕入れは◯円まで」と決めておく。良いものを見つけても、上限を超えたら来月に回す。
その場の判断で決めないのが要点です。良いものを見つけた瞬間は、いちばん冷静でない瞬間でもあります。
売れ残ったときの出口を、先に決める
仕入れる前に、売れなかった場合の処分方法を決めておいてください。
- 値下げして売り切る(いくらまで下げるか)
- まとめて業者に引き取ってもらう
- セットにして別の商品と組む
出口が決まっていると、損切りの判断が早くなります。置いておけばいつか売れる、と考えているうちに、置き場所と資金が圧迫されます。
まとめ
- 仕入れは先払い、入金は後。売上が伸びるほど現金は減る
- 在庫は帳簿上の資産だが、売れるまで現金ではない
- 在庫は金額ではなく「何か月で売り切れる量か」で見る
- 目利きがある人ほど仕入れすぎる。外れたときに耐えられる量で決める
- 受注生産・予約販売・小ロットから始める
- 月ごとの仕入れ上限と、売れ残ったときの出口を先に決める