評価面談まで待たない。その場で伝えるフィードバックの作り方
半年に一度の面談で初めて指摘されると、人は納得できません。成長の速さは、伝える頻度でほぼ決まります。溜めずに、その場で、行動として伝えるための具体的な形をまとめました。
- こんな人に
- 部下の成長が遅いと感じている上司
- 結論
- 面談まで溜めない。その場で、行動を指して伝える
- 読む時間
- 約2分
半年前のことを面談で指摘されて、納得できた経験はあるでしょうか。たいていは「なぜそのとき言ってくれなかったのか」が先に来ます。
成長の速さは、フィードバックの質より頻度で決まります。半年に一度の30分より、その日の3分のほうが効きます。
溜めると、人格の話になる
言いにくいことを溜め込むと、あとで伝えるときに厄介なことが起きます。
一件ずつなら「この資料は、結論を先に書いてほしい」で済んだものが、溜まると「君は要点をまとめるのが苦手だ」に変わります。行動の指摘が、人格の評価になってしまう。
これは伝える側の意地悪ではなく、量が増えると抽象化するという、自然な現象です。だから、溜めないことが唯一の対策になります。
良かったことを、その場で言う
順番として、直す点より先に、良い点から始めたほうが定着します。
難しく考える必要はありません。「あの資料、結論が先に書いてあって助かった」。これで十分です。
ポイントは、行動を名指しすること。「よくやってくれている」だけだと、何を続ければいいのか分かりません。褒められた本人が再現できない褒め方は、効果が半分になります。
直してほしいことは、行動として伝える
言いにくいことを伝えるときの型があります。
- 事実。「今回の資料は、結論が最後にありました」
- 影響。「読む側が、途中で判断できませんでした」
- 次の行動。「次は、最初の3行に結論を置いてください」
この3つだけです。人格に触れない、感情を足さない、次の行動まで書く。これを守れば、たいていの指摘は受け取ってもらえます。
逆に避けたいのは、「いつも」「毎回」という言葉です。事実として正確でないことが多く、そこに反論の余地が生まれます。
タイミングは、その日のうちに
理想は、起きた直後です。遅くともその日のうち。翌週になると、相手の記憶が薄れているうえに、わざわざ持ち出された感じが出ます。
場所も大事です。直す点は、人のいないところで。同じ内容でも、人前だと相手は面子を守る側に回り、指摘の中身が届きません。
良かった点は逆で、人のいる場所で言ったほうが効きます。
伝えたことを、覚えているか確かめる
見落とされがちですが、伝えっぱなしだと定着しません。
数週間後に、「前に話したあれ、その後どうですか」と一度だけ触れる。これがあるかどうかで、指摘が習慣になるかが変わります。
同じことを3回言っても変わらないなら、伝え方ではなく、本人が納得していないか、そもそもできない環境になっている可能性があります。そこは別の問題として扱ってください。
面談は、答え合わせの場にする
その場で伝えるようにすると、評価面談の意味が変わります。
新しい指摘が出てこない面談は、良い面談です。すでに伝わっていることの確認と、次の半年の方向を決める場になります。驚きがないほうがいい。
自分が溜め込む側かどうかは、良い上司診断の「伝える力」で確認できます。