名指しで書く前に。不満をSNSに出すときの線引き
ひどい対応を受けた、理不尽な扱いをされた。事実であっても、書き方によっては立場が逆になります。公開するか、直接言うか、窓口に出すか。手段を選ぶための基準を整理しました。
- こんな人に
- SNSに不満を書こうとしている人
- 結論
- 事実であっても、書き方によっては立場が逆になる
- 読む時間
- 約3分
ひどい対応を受けた。書かずにいられない。しかも、書いていることはすべて事実。
この状況で押さえておきたいのは、事実であることは、安全を意味しないということです。書き方によっては、こちらの立場が逆になることがあります。
なぜ名指しだけが、取り返しがつかないのか
ほかの条件は、あとから直せます。断定は言い直せますし、勢いは訂正で挽回できます。
名指しだけが違います。
- 削除しても残る。スクリーンショットは、投稿より長く生き延びます。
- 相手側にも記録が残る。相手が対応を検討する場合、材料になります。
- 目的が変わって見える。問題の指摘ではなく、個人への攻撃として読まれることがあります。
そして、いちばん困るのは、こちらが正しかった場合でも起こるということです。
手段は、3つある
不満を伝える方法は、公開だけではありません。順番があります。
- ① 相手に直接言う。いちばん解決に近い。対応が改善されることが多いのは、この段階です。
- ② 窓口に出す。企業の問い合わせ、消費生活センター、業界団体、労働相談。記録が残り、第三者が入ります。
- ③ 公開する。①②で動かなかったときの手段です。ここから始めると、選択肢がなくなります。
③から始めてしまうと、相手が防御に回るので、かえって解決が遠のきます。順番を守るほうが、目的は達成しやすい。
それでも公開するなら
公開が必要な場面はあります。そのときは、形を整えます。
- 固有名詞を外す。「ある店で」「先日利用したサービスで」。伝えたいことは、たいてい伝わります。
- 事実と感情を分ける。「30分待たされた」は事実、「ひどい店だ」は評価。混ぜると、評価のほうが争点になります。
- やり取りの画面をそのまま載せない。相手の書いたものには、相手の権利があります。
- 要求を書く。「こうしてほしい」があると、攻撃ではなく申し立てとして読まれます。
「みんなに知らせたい」の扱い
公開する理由として、被害の拡大を防ぎたい、というものがあります。動機としては正当です。
ただ、その目的なら、固有名詞なしでも達成できることが多い。「こういう手口があるので気をつけてください」という形のほうが、拡散もされやすい。
固有名詞が必要だと感じるとき、目的が注意喚起から報復に寄っていないかを一度だけ確かめてください。
職場のことを書くとき
もうひとつ、事故が多いのがここです。
- 特定される情報を足さない。業種、地域、人数、時期。組み合わせると、意外なほど絞り込めます。
- 顧客の情報は出さない。職場の不満であっても、巻き込むのは別の問題です。
- 就業規則を確認する。SNSでの発信に規定があることが多くあります。
労働環境そのものに問題があるなら、SNSではなく労働基準監督署や外部の労働相談のほうが実効性があります。
書かずに済ませる方法
最後に。書きたい気持ちが強いときは、投稿せずに書くのが効きます。
メモアプリでも紙でもいい。全部書いて、出さない。それだけで、かなり収まります。翌朝読み返して、まだ必要だと思うなら、そのときに形を整えて出せばいい。
自分が名指しに寄りやすいかどうかは、SNS炎上診断の「名指しの傾向」で確認できます。