負け方から学ぶ。判断を誤るのは、たいてい勝っているとき
大きな失敗の前には、たいてい連勝があります。うまくいっている時期に判断が甘くなる仕組みと、好調なときこそ入れておきたい歯止めをまとめました。
- こんな人に
- 調子が良い時期にいる人
- 結論
- 大きな失敗の前には、たいてい連勝がある
- 読む時間
- 約2分
歴史の話でも、仕事の話でも、大きな失敗の直前にはたいてい連勝があります。うまくいっているときほど判断が甘くなるというのは、かなり普遍的な現象です。
なぜ、勝っているときに間違えるのか
- 成功の理由を、自分の実力に帰属させる。実際には運や条件が効いていても、そうは見えません。
- 反対意見が減る。結果が出ている人に、周りは意見しにくくなります。
- 戦線が広がる。余力があるうちに、と手を広げすぎます。
- 検証をやめる。うまくいっているものを、わざわざ調べ直す動機がありません。
どれも、失敗しているときには起きにくいことばかりです。つまり好調そのものが、判断の質を下げる条件になっているということです。
勝ち方を、言葉にしておく
いちばん実用的な対策がこれです。
うまくいったとき、その理由を3つ書き出しておく。そしてそのうちどれが自分の力で、どれが条件だったかを分ける。
この作業をしておくと、条件が変わったときに気づけます。条件のほうが効いていた場合、同じやり方を続けても再現しません。
反対意見を、仕組みで確保する
好調なときほど、周りは黙ります。だから、意見を求める側から動く必要があります。
- 反対役を指名する。「この案の弱点だけ言って」と役割として頼む。人格の問題にならず、言いやすくなります。
- 外の人に聞く。社内の利害から離れている相手のほうが、率直に言えます。
- 過去の自分に聞く。始めるときに書いた懸念を読み返す。当時の自分は冷静でした。
広げる前に、撤退線を引く
手を広げること自体は悪くありません。問題は、広げた戦線を畳む条件を決めていないことです。
始めるときに「◯月までに◯にならなければ止める」と書いておく。実行中の自分にはこの判断ができないので、始める前に書くしかありません。
そして、書いた条件に達したら止める。ここで「もう少しで届きそうだ」と思うのが、いちばん危ない瞬間です。
負けたときのほうが、学びは残る
皮肉な話ですが、失敗は原因を探すので学習が起きます。成功は原因を探さないので、学習が起きません。
だから、勝ったときに振り返る習慣があるかどうかで、長期の差がつきます。負けたときの振り返りは誰でもやりますが、勝ったときにやる人は多くありません。
大負けだけを、避ける
最後に、長く続けるための原則を一つ。
全部に勝つ必要はありません。避けるべきは次の機会を失うほどの負けだけです。
資金が尽きる、健康を損なう、信用を失う。この3つに触れる判断だけは、期待値が高く見えても慎重に扱う。退場しなければ、次があります。
まとめ
- 大きな失敗の前には、たいてい連勝がある
- 好調は、実力への帰属・反対意見の減少・戦線の拡大・検証の停止を招く
- 勝った理由を3つ書き、自分の力と条件に分ける
- 反対役を指名する、外の人に聞く、始めた頃の自分の懸念を読み返す
- 広げる前に撤退線を引く。実行中には引けない
- 避けるべきは、次の機会を失うほどの負けだけ