人に頼んだ仕事を、結局は自分で直している
頼んだ仕事を結局自分で直している。相手は「どうせ直される」と学習し、自分の仕事が増えます。合格ラインではなく、伝え方を変える話です。
- こんな人に
- 人の仕事の粗が気になる人
- 結論
- 基準は下げなくていい。求める水準を、実物の例で先に渡す
- 読む時間
- 約3分
人に頼んだ仕事の粗が目についてしまう。結局、自分で直している。
ここで起きているのは、独特の悪循環です。
そして、この循環は自分の時間を削る形で進みます。
直すほど、相手は考えなくなる
細かく直されると、相手はこう学習します。「どうせ直されるなら、考えなくていい」。
すると、次はもっと粗いものが上がってきます。直す量が増える。自分の仕事が増える。質を上げようとした行動が、質を下げているという状態です。
そして、これは相手の意欲の問題ではありません。合理的な適応です。
さらに、相手は成長の機会も失います。自分で判断していないので、次も同じ粒度のものが出てきます。
合格ラインを下げなくていい
よく言われるのが「もっと大目に見よう」です。ただ、これは難しい。気になるものは気になるからです。
変えるのは、基準ではありません。伝える順番です。
求める水準を、例で渡す
いちばん効くのが、これです。
頼むときに、求める水準を例で渡す。「前回のあの資料と同じ形で」「この長さで、この粒度で」。
言葉で説明するより、実物を見せるほうが正確に伝わります。そして、伝わっていれば、直す量は激減します。
察してもらうのをやめる。それだけで、この問題の半分は解決します。
例がない場合は、「どこまでやるか」を先に言葉にする。「体裁は気にしなくていい。数字だけ正確に」。優先順位を渡すと、力の配分が決まります。
6割で、いったん受ける
もうひとつ。上がってきたものを、すぐ直さないことです。
6割できていたら、いったん受ける。そして、直すのは結論が変わる部分だけ。表現の好みや、細かい体裁は触らない。
この基準を持っておくと、直す量が自然に減ります。そして、直さなかった部分について相手が考えるようになります。
それに、6割のものを見ると、認識のずれが早く分かります。完成してから直すより、手戻りが小さくて済みます。
直したときは、必ず伝える
黙って直すのが、いちばん良くありません。
相手は、直されたことに気づかないか、気づいても理由が分からない。どちらにしても、学習が起きません。
「ここをこう直しました。理由はこれです」。一言添えるだけで、次から同じ直しが要らなくなります。最初は手間ですが、回数で回収できます。
そして、直した箇所が毎回同じなら、頼み方のほうを直す。同じ場所を3回直しているなら、伝わっていないということです。
自分に厳しい人ほど、この型になる
最後に。他人に求めてしまう人は、たいてい自分にも同じ水準を求めています。
つまり、意地悪をしているわけではありません。自分にやっていることを、そのまま外に向けているだけです。
だから、自分への基準がゆるむと、他人への基準も自然にゆるみます。順番として、そちらが先かもしれません。
まとめ
- 細かく直すと「どうせ直される」と学習され、粗さが増える
- 相手は成長の機会も失うので、次も同じ粒度になる
- 基準は下げなくていい。変えるのは伝える順番
- 求める水準は、言葉より実物の例で渡す
- 6割でいったん受ける。直すのは結論が変わる部分だけ
- 同じ箇所を3回直しているなら、頼み方のほうを直す
自分の傾向は、心のブロック(完璧主義)診断で確認できます。