グレーゾーンの歩き方。明文化されていない場所で判断するための基準
ルールに書かれていない領域は、思っているより広くあります。多くの人が止まるその場所で動ける人は強い。ただし基準が本人にしか見えないままだと、あとから線が引かれたときに遡って責められます。自分の基準を1文にする方法です。
- こんな人に
- 明文化されていない場面で判断する人
- 結論
- 動く前に、自分の判断基準を1文で書いておく
- 読む時間
- 約3分
仕事で迷う場面の多くは、白でも黒でもありません。そもそも線が引かれていないのです。
前例のない相手との取引、規程が想定していない働き方、新しい道具の使い方。禁止されていないけれど、許可されてもいない。多くの人はここで止まります。
この領域で動ける人は強い。実務が先に進み、あとから制度が追いつくという順番を作れるからです。ただし、条件があります。
グレーで動ける人の、強みと危うさ
- 強み。白黒つかない案件を前に進められる。多くの人が判断できない場所で決められるので、任される仕事の幅が広がります。
- 危うさ。判断の基準が本人にしか見えていない。だから、あとから線が引かれたときに、遡って責められることがあります。
この危うさは、実力とは関係ありません。説明が残っていないことだけが問題です。逆に言えば、そこを埋めれば、この型はほとんど無敵になります。
動く前に、判断の基準を1文で書く
おすすめしたいのは、行動する前に自分の判断基準を1文にしておくことです。長さは1行で足ります。
- 「相手に不利益がなく、あとで元に戻せる範囲なら、先に進める」
- 「金額が◯万円を超えない限り、自分の判断で決める」
- 「社外に情報が出ない範囲であれば、試してよい」
これを書いておくと、2つのことが起きます。ひとつは、判断が速くなること。もうひとつは、あとから説明を求められたときに、芯ができることです。
「なんとなく大丈夫だと思った」と「この基準で判断した」は、まったく違って聞こえます。結果が同じでも、後者は次も任されます。
迷ったときの、ひとつの質問
それでも判断がつかないときは、この質問が効きます。
これを、関係のない第三者に話せるか。
社内の別部署の人、取引先、家族、誰でもかまいません。話せるなら進めていい。話したくないなら、その理由のほうが答えです。
この質問が優れているのは、言い訳が効かないところです。自分の中では正当化できていることも、口に出そうとすると急に難しくなります。
進めた案件は、終わったあとに手順として出す
グレーで進めたものを、そのままにしないでください。案件が終わったら、やったことを手順の形にして提出します。
こう書くと面倒に聞こえますが、実際には数行です。「こういう場面で、こう判断した。結果はこうだった」。それだけであなたの判断が、組織の線引きになります。
これをやるかどうかで、扱いが変わります。出せば、前例を作った人です。出さなければ、勝手に進めた人のままです。同じ仕事なのに、評価が正反対になります。
グレーが黒になる瞬間を、見分ける
最後に注意点を。グレーに見えて、実は最初から黒い場合があります。見分ける目印は3つです。
- 急かされている。「今日中に」「細かいことは後で」と言われる案件は、考える時間を奪うために急がされていることがあります。
- 記録を残すなと言われる。これは決定的です。まっとうな判断なら、記録が残って困ることはありません。
- 相手が「みんなやっている」と言う。根拠が慣習しかないとき、線が引かれた瞬間に、全員ではなくあなたが責任を負います。
ひとつでも当てはまったら、グレーではありません。止まるか、上に上げる。ここで踏みとどまれるかどうかが、この型の分かれ道です。
自分がどのくらいグレーの領域で動くタイプかは、アウトロー診断の「逸脱への踏み込み」と「説明できるか」の2軸で確認できます。