判断を静かに狂わせる、7つのクセ
人の判断には、決まった方向のズレがあります。知っていても完全には防げませんが、起きやすい場面を知っておくと、重要な場面で歯止めをかけられます。
- こんな人に
- 自分の判断を 正確にしたい人
- 結論
- 知っていても完全には防げない。起きやすい場面を先に知っておく
- 読む時間
- 約3分
人の判断には、決まった方向のズレがあります。頭の良さとはあまり関係がなく、知っている人でも同じように引っかかります。防ぐというより、起きやすい場面を知っておくのが現実的です。
① 最初の数字に、引っ張られる
見積もりでも、値段交渉でも、最初に出た数字がその後の判断の基準になります。
だから、重要な数字を決めるときは先に自分の基準を書いてから、相手の数字を見る。順番を逆にすると、自分の基準がすでに動いています。
② 自分の考えを支持する情報だけが、目に入る
ある結論を持っていると、それを裏づける情報ばかり見つかるようになります。探しているつもりはなくても、そうなります。
対策は単純です。「この考えが間違っているとしたら、何が観察されるか」を一つ書き、それを探しに行く。反証を探す時間を、意図的に取るしかありません。
③ すでに使ったものが、判断に混ざる
かけた時間、払った費用、注いだ労力。これらは戻らないので、本来は今後の判断に関係しません。
それでも、大きく投じたものほどやめられなくなります。「いま初めてこの話を聞いたとしたら、始めるか」と問い直すと、混ざったものを外せます。
④ 思い出しやすいことを、起こりやすいと感じる
最近見たニュース、身近で起きた出来事。印象が強いほど、頻度を高く見積もります。
だから、めったに起きないが目立つことを過大評価し、頻繁に起きるが地味なことを過小評価します。リスクの話をするときは、印象ではなく件数で確かめてください。
⑤ 結果を見てから、「分かっていた」と感じる
事後になると、その結末が必然だったように見えます。当時の不確実さは、記憶から消えてしまいます。
これを防ぐには、判断した時点で予想を書いておくしかありません。書いていないと、自分がどれくらい予測できていたかを正しく評価できません。
⑥ 自信の量と、正確さがずれる
「たぶん大丈夫」と言うときの当たる確率は、人によってかなり違います。しかも、多くの人は自分の見積もりを高めに出します。
これは訓練で改善できる部分です。予想と結果を記録するだけで、自分の「たぶん」が何%くらいなのかが分かってきます。
⑦ 疲れると、直感に寄る
いちばん実務的で、いちばん軽視されているのがこれです。
睡眠不足や連続した判断のあとでは、手間のかかる検討を避け、その場で決められる選択肢を選びやすくなります。
対策は、判断そのものよりスケジュールの側にあります。重要な決定を、疲れている時間帯に置かない。それだけで、ズレの多くは減ります。
知識だけでは、防げない
これらは知っていても起きます。だから、知識ではなく仕組みで受け止めるのが現実的です。
- 重要な判断は、一晩置く
- 始める前に、撤退条件を書く
- 予想を書いてから動く
- 反対役を一人指名する
まとめ
- 最初の数字に引っ張られる。自分の基準を先に書く
- 支持する情報ばかり目に入る。反証を探す時間を取る
- すでに使ったものが混ざる。「いま聞いたら始めるか」で外す
- 思い出しやすいことを、起こりやすいと感じる
- 結果を見てから「分かっていた」と感じる。予想を書いておく
- 自信と正確さはずれる。記録すると分かる
- 疲れると直感に寄る。重要な決定を疲れた時間に置かない