住み替えは、体力と判断力があるうちにしかできない
いま困っていなくても、条件は10年で変わります。段差、階段、買い物と通院の距離。決めるのは先でも、書き出しておく話です。
- こんな人に
- いまの家に不満がない人
- 結論
- 住み替えには体力と判断力が要る。10年後に困ることを3つ書く
- 読む時間
- 約3分
いまの家に不満はない。だから、住まいのことは考えていない。
これは自然な状態です。ただ、住み替えには体力と判断力が要ります。必要になってからでは、動けないことがあります。
そして、必要になるときは、たいてい急に来ます。
条件は、10年で変わる
いま問題ないものが、あとで問題になります。
- 段差と階段。いまは気にならなくても、膝や腰の状態は変わります。
- 買い物の距離。車を運転しなくなる時期が来ます。
- 通院の距離。健康なうちは条件になりませんが、必要になったときには引っ越しが難しい。
- 家の広さ。家族が減ると、掃除と光熱費が負担になります。
健康なうちは、どれも条件に入りません。だから見落とされます。
とくに、2階の寝室は影響が大きい。上り下りができなくなると、家の半分が使えなくなります。
「10年後に困ること」を3つ書く
いますぐ決める必要はありません。やることは、書き出すだけです。
「10年後、この家で困ること」を3つ書き出す。段差、距離、広さ、設備。
これがあると、動くべき時期が見えてきます。そして、対策の選択肢も比べられるようになります。
書くときは、いまの親の状態を参考にすると現実的になります。自分の10年後、20年後の目安になります。
住み替えより先に、改修を検討する
住み替えは大きな決断です。その前に、費用の小さい手があります。
- 手すりの設置。階段、浴室、玄関。
- 段差の解消。部分的な工事で対応できることがあります。
- 浴室と水回りの改修。事故が起きやすい場所です。
- 1階だけで生活できる配置に変える。寝室を移すだけで済むこともあります。
介護保険には、住宅改修に関する制度があります。条件があるので、自治体の窓口で確認してみてください。
改修は、必要になる前でも意味があります。手すりは、健康なうちでも転倒を防ぎます。
住み替えるなら、つながりを保てる距離で
実際に住み替える場合、費用や利便性で選びがちです。ただ、もう1つ重要な条件があります。
いまのつながりを保てる距離かどうか。友人、通っている場所、かかりつけの医療機関。
全部を作り直すのは、年齢が上がるほど負担が大きくなります。安さだけで遠くに移ると、孤立することがあります。
目安として、いまの生活圏から公共交通で1時間以内。この範囲なら、関係を保ったまま移れます。
賃貸か、持ち家か
それぞれに、老後特有の論点があります。
- 持ち家。住居費は下がりますが、修繕費と固定資産税は続きます。売りにくい地域なら、動けなくなる可能性もあります。
- 賃貸。身軽ですが、家賃が続きます。高齢になると、契約が難しくなることがあります。
どちらが良いという話ではありません。それぞれの注意点を、早めに知っておくことが大事です。
決めるのは、まだ先でいい
最後に。この記事は、いま動くことを勧めるものではありません。
考えていない状態から、考えた状態にする。それだけで十分です。3つ書き出して、年に一度見直す。そのくらいの付き合い方が、続きます。
まとめ
- 住み替えには体力と判断力が要る。必要になるときは急に来る
- 健康なうちは、段差も距離も条件に入らないので見落とされる
- 2階の寝室は、上り下りができなくなると家の半分が使えなくなる
- 「10年後に困ること」を3つ書く。親の状態を参考にすると現実的
- 住み替えの前に、手すりや配置の変更で足りることがある
- 移るなら、いまの生活圏から公共交通で1時間以内
自分の備えは、老後の備え診断で確認できます。