家庭菜園は、元が取れるのか。時間とお金で計算してみる
結論から言うと、収穫物の金額だけで見れば、たいてい割に合いません。それでも続ける価値がどこにあるのかを、時給と満足度の両面から考えました。
- こんな人に
- 家庭菜園の元が取れるか気になる人
- 結論
- 収穫物の金額では割に合わない。比べる相手は他の趣味
- 読む時間
- 約3分
「自分で作れば安くつく」と思って始めると、たいてい期待は外れます。まず、正直に計算してみます。
ただし、計算が合わないことと、やる価値がないことは別です。
かかるものを、全部並べる
- 初期費用。容器、用土、支柱、じょうろ、ネット。最初の年に集中します。
- 毎年かかるもの。苗代、追加の用土、肥料、防虫の資材。
- 水道代。夏場は毎日。金額は小さいが、ゼロではありません。
- 時間。これがいちばん大きい。1日10分でも、年間で60時間ほどになります。
収穫物の金額を、これらと比べる。すると多くの場合、初年度は明確に赤字になります。2年目以降は初期費用が消えるので改善しますが、時間を金額に換算すると、やはり買ったほうが安い。
そして、失敗した分も費用に入ります。枯れた苗、育たなかった作物。1年目は、これが少なくありません。
時給で見ると、はっきりする
仮に年60時間を投じて、収穫物の市場価格が1万円だったとします。時給に直すと170円ほど。
この数字は、収穫を目的にした場合の評価としては厳しいものです。同じ時間を働けば、比較にならない額になります。
ここで大事なのは、この計算が間違っているということではありません。目的の置き方が間違っているということです。
つまり、収支で測ると必ず負けます。測る物差しのほうを変える必要があります。
趣味の時間を、収支で測らない
映画を2時間観ても、何も生産されません。旅行に行けば、お金は減ります。それでも、割に合わないとは言われません。
育てる趣味だけが「元が取れるか」と問われるのは、収穫物という測れる出力があるからです。測れるものがあると、つい収支で見てしまいます。
正しい比較対象は、スーパーの野菜ではなく、同じ時間を使う他の趣味です。その基準で見ると、初期費用も維持費もかなり安い部類に入ります。
しかも、途中でやめても損失が小さい。合わなかったときに引き返しやすいのは、この趣味の利点です。
金額に出にくい、3つの利得
- 外に出る用事ができる。とくに在宅時間の長い人にとって、毎日5分でも外気に触れる理由があるのは効きます。
- 時間の区切りができる。朝の水やりが、一日の始まりの合図になります。
- 会話の材料になる。近所の人、家族、職場。育てているものの話は、当たり障りなく続けやすい話題です。
コストを下げる、現実的な工夫
- 初年度は、道具を買い足さない。足りないと感じてから買う。使わない道具がいちばん高くつきます。
- 高い野菜を選ぶ。ハーブ、薬味、ミニトマト。少量で単価が高いものは、収支が合いやすい。
- 用土は再生して使う。毎年全部を買い替えると、費用がかさみます。
- 種類を絞る。手間も費用も、種類の数に比例します。
そして、道具は借りるか、共同で持つという手もあります。年に数回しか使わないものは、買わなくて済みます。
まとめ
- 収穫物の金額だけで見れば、たいてい割に合わない
- 時間を金額に換算すると、なおさら合わない
- 正しい比較対象はスーパーではなく、同じ時間を使う他の趣味
- 外に出る用事・時間の区切り・会話の材料という、測れない利得がある
- 道具は足りないと感じてから買う。単価の高いものを選ぶと収支は改善する