「強みがない」と思う人へ。コンピタンスという考え方
強みは「人より優れていること」ではなく「発揮しやすい力」のこと。強みが見えにくくなる3つの理由と、言葉にするための質問をまとめました。
- こんな人に
- 「自分には強みがない」と感じている人
- 結論
- 強みは優劣ではなく「発揮しやすい力」。当たり前にできることの中にある
- 読む時間
- 約3分
面接で「あなたの強みは?」と聞かれるたびに、少し嘘をついている気がする。自己PRの欄が埋まらない。そう感じている人はかなり多いのですが、その原因はたいてい強みという言葉の定義にあります。
強み=人より優れていること、ではない
強みを「他人より優れている点」と定義すると、ほとんどの人に強みはなくなります。世の中は広く、自分より上手な人は必ずいるからです。この定義でいる限り、探しても見つかりません。
そこで使いたいのがコンピタンスという考え方です。ざっくり言えば「その人が発揮しやすい力」のこと。他人との比較ではなく、自分の中での出やすさで見ます。
同じ状況に置かれても、人によって最初に出る動きは違います。トラブルが起きたとき、すぐ手を動かす人、周りに声をかける人、原因を整理しはじめる人。どれが優れているという話ではなく、出やすい動きが違うだけです。その出やすさがコンピタンスです。
強みが見えにくくなる3つの理由
1. 自分にとっては当たり前になっている
発揮しやすい力は、労力をあまり使わずに出せます。だから本人は「やった」という感覚を持ちません。人に感謝されても「これくらい普通では」と思う。強みは、褒められた記憶より頼まれごとの傾向に表れます。
2. 短所とセットになっている
慎重さは、判断の遅さとセットです。行動の速さは、確認漏れとセットです。強みは長所と短所の両方の顔を持つので、短所として叱られた経験が強いと、その特性を強みとして数えられなくなります。
3. いまの環境で必要とされていない
発揮しやすい力でも、それを求められない場所にいれば出番がありません。「自分には強みがない」と感じるとき、実際には強みと環境が噛み合っていないだけ、というケースがかなりあります。これは能力の問題ではなく配置の問題です。
言葉にするための質問
強みを言葉にしたいときは、次の質問に答えてみてください。抽象的に考えるより、具体的な場面を思い出すほうが早く進みます。
- 職場でよく頼まれることは何か(同じ種類の頼まれごとが強みの証拠)
- 他の人が面倒くさがるのに、自分はさほど苦にならない作業は何か
- 過去に「助かった」と言われた場面で、自分は具体的に何をしたか
- 仕事が早く終わった日、いつもと何が違ったか
ポイントは、結果ではなくそのときの自分の動きを書くことです。「売上を伸ばした」ではなく「取引先の懸念を先に聞きに行った」。動きのレベルまで下ろすと、他の仕事にも持ち運べる形になります。
強みは組み合わせで効く
一つひとつの力で日本一になる必要はありません。仕事で効くのは組み合わせです。
「人の話を聞ける」だけなら珍しくありません。「数字を扱える」だけでもそうです。しかし両方できる人は急に少なくなります。3つ重なれば、その組み合わせはかなり希少です。自分の中で上位に来る力を3つ選び、それが同時に必要になる場所を探す。これが、比較しない強みの使い方です。
まとめ
- 強みは「人より優れていること」ではなく「発揮しやすい力」
- 当たり前になっている/短所とセット/環境と噛み合っていない、の3つで見えなくなる
- 結果ではなく、そのときの自分の動きで書く
- 上位3つの組み合わせで考えると、比較から抜けられる