決まらない時間が、いちばん長い。材料ではなく期限で切る
プロジェクトの遅れは、技術的な困難より判断待ちの時間から生まれます。情報が足りないまま決めるための、期限の置き方と記録の残し方をまとめました。
- こんな人に
- 判断待ちで止まるプロジェクトの担当者
- 結論
- 遅れは技術的困難より判断待ちから生まれる。材料ではなく期限で切る
- 読む時間
- 約2分
プロジェクトが遅れた理由を並べていくと、技術的な困難より判断待ちの時間のほうが長いことが珍しくありません。しかも、この時間は記録に残りません。
決めないことも、一つの決定
材料がそろうのを待つ判断は、慎重に見えます。実際、情報が増えれば判断の精度は上がる。
ただし、待っているあいだの時間は戻りません。そして多くの場合、待って得られる情報の価値より、失う時間のほうが大きい。
決めないことも選択であり、しかも選び直せない選択です。ここを意識するだけで、判断の速度は変わります。
材料ではなく、期限で切る
実用的なのは、判断の基準を材料から期限に移すことです。
「◯日までに、あるもので決める」と先に宣言する。この一言があると、それまでに集められる情報を集め、期日には決まります。
「材料がそろったら決める」だと、そろう日が来ません。追加の情報は、たいてい追加の疑問を連れてきます。
決めた理由を、1行残す
速い判断ほど、背景が周りに伝わりません。だから「なぜそう決まったのか分からない」という不満が出ます。
効くのは、決めたら理由を1行残すこと。速度を落とさずに納得が得られます。
あわせて、選ばなかった案も理由とともに残しておく。後で「なぜAにしなかったのか」と聞かれたときに、同じ議論を繰り返さずに済みます。
覆さないことも、速度になる
決めたあとに何度も覆すと、現場は動けなくなります。次も変わるかもしれないので、着手が遅れる。
前提が変わったときだけ覆す、と決めておく。気が変わった、より良い案を思いついた、では覆さない。この規律があると、決定の重みが保たれます。
決められないときの、3つの原因
- 決める人が決まっていない。いちばん多い。「これは誰が決めますか」と聞くだけで進むことがあります。
- 失敗の責任が重すぎる。決めた人だけが責められる構造だと、誰も決めません。ここは構造の問題です。
- 選択肢が多すぎる。3つまでに絞ってから議論する。5つ以上あると、比較で終わります。
自分の「たぶん」の精度を知る
不確実な状態で決めるとき、頼りになるのは自分の見積もりです。ところが、この精度は人によってかなり違います。
「うまくいくと思う、確度70%」と書いておいて、後で結果と照らす。これを何度か繰り返すと、自分の見積もりの癖が分かります。
高く見積もりがちな人は、リスクを厚めに見る。低く見積もりがちな人は、思い切って動く。癖が分かると、補正できます。
まとめ
- 遅れの原因は、技術的困難より判断待ちの時間
- 決めないことも選択であり、選び直せない
- 材料ではなく期限で切る。「◯日に、あるもので決める」
- 決めたら理由を1行残す。選ばなかった案も残す
- 前提が変わったときだけ覆す
- 予想に確度を書いて記録すると、自分の見積もりの癖が分かる